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海外

2024.05.03 09:00

トップ研究者が集結、「幹細胞治療のOpenAI」を目指すSomite.ai

Getty Images

昨年末、5人の科学者が研究室に集まり、自らが持つ幅広い専門技術や実務経験、イノベーションを起こす力を合わせてスタートアップを設立することを決意した。こうして誕生したSomite.ai(ソウマイトai)のゴールは、人工知能(AI)を活用して細胞治療用のヒト組織を生成し、多くの人々の生活を改善することだ。この分野の市場規模は2500億ドル(約38兆円)と推定されている。

Somite.aiの強みは、最先端の幹細胞生物学や医学、遺伝学、工学、統計学、コンピュータサイエンス、機械学習の技術を融合していることだ。創業メンバーは、ハーバード大学医学部遺伝学教授で、ブリガム・アンド・ウィメンズ病院病理学教授のオリヴィエ・プールキー、ハーバード大学医学部システム生物学准教授のアロン・クライン、ハーバード大学医学部遺伝学教授のクリフ・タビン、MIT FutureTechでFundamentalAIグループの責任者を務めるジョナサン・ローゼンフェルド、そして認知科学の博士号を持つミハ・ブレイクストーンだ。

ブレイクストーンは、学術界よりもビジネスの世界を選び、人工知能(AI)分野の起業家として成功した(彼はイスラエルのスタートアップChorus. aiを設立し、5億7500万ドルで売却した)。

「我々が開発しているのは生命言語モデルで、まさに人生というゲームを学んでいる」とブレイクストーンは話す。今日、バイオテクノロジー業界では大手企業からスタートアップまでが細胞培養への理解を深め、細胞置換療法(CRT)において新たな道を開拓しようとしている。競争の激しいこの業界において、Somite.aiはどのようにして優位性を発揮しているのだろうか?

ブレイクストーンは、現状のチームの結成に加えて、次の3点を挙げる。それは、体節細胞に焦点を当てたことと、胚のデジタルツイン(胚の構成と組織を表す計算モデル)を用いてCRTにおける発見・最適化・生産のばらつきを制御したこと、そしてAIを活用していることだ。

体節細胞とは、筋骨格系とそれに関連する組織を生成する役割を持つ胚構造のことだ。「我々と同等レベルの有効性と正確さで体節細胞を生成できる研究室は他にない」とブレイクストーンは話す。創業メンバーのプールキーは、2015年と2016年にこの種の細胞を効果的につくる方法を示した優れた論文を2本発表している。
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編集=上田裕資

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