四川省の成都市に本社を置く茶百道の目論見書によると、同社は上場で調達した資金をサプライチェーンの強化や店舗のアップグレードに充てたいとしている。同社株の公開取引は23日に開始される。
茶百道は、2023年8月に仮目論見書を提出していた。フォーブスは、2008年に成都で1号店をオープンさせたワンの現在の保有資産が14億ドル(約2160億円)で、妻の資産が7億7000万ドル(約1190億円)と試算している。2人の資産は、同年6月に完了した資金調達ラウンドの直後にそれぞれ11億ドル(約1700億円)、7億ドル(約1082億円)と試算されていた。
1杯で約2ドルの飲み物を販売する茶百道は、フランチャイズモデルを使って店舗網を8000店以上に拡大した。フランチャイジーに食材や設備を提供することで収益を上げる同社の昨年の売上高は、前年比34.8%増の57億元(約1217億円)で、純利益は前年比20%増の11.4億元(約243億円)だった。
しかし、同社の事業の成長率は、売上高と純利益の両方が前年比200%以上のペースで伸びていた2~3年前に比べて鈍化している。「茶百道のビジネスは、パンデミックに加えて競争の激化にも直面している」と、香港のエバーブライト・セキュリティーズでアナリストを務めるケニー・エンは述べている。
ミルクティー業界への参入障壁は比較的低く、香港市場に上場する「奈雪の茶(Nayuki)」や同じく香港市場でIPOを申請中の蜜雪冰城(Mixue Bingcheng)らも同様なメニューを提供している。奈雪の茶の株価は2021年の上場以降に80%以上急落したが、少なくとも他の2つの競合の覇王茶姫(Chagee)と茶顔悦色(Sexy Tea)も株式公開を望んでいる。
エバーブライトのエンによると、茶百道は上場で得た資金を用いて、将来の収益増に不可欠な店舗数の拡大を狙っているという。「早期の株式公開を実現すれば、市場でのシェアを強固なものにできる。しかし、投資家がこの分野に最も熱狂していた時期はすでに過ぎ去った」と彼は語った。
(forbes.com 原文)