麻痺した手指の回復を促すBMIリハビリ技術、神経回路を再構成

プレスリリースより

脳や神経には代替回路を作る「可塑性」という力がある。脳科学とAIで代替回路を構築し、一度麻痺した手の指がまた動かせるようになるリハビリ方法が開発され、医療機器認証を取得した。

ブレイン・マシン・インターフェース(BMI)を応用したリハビリテーション機器の開発製造を行うLIFESCAPES(ライフスケープス)は、ヘッドセットで頭皮から生体信号を検出し、それをもとに麻痺した指に装着したロボットが指を動かすことで代替回路を活性化し、次第に麻痺を回復させるという装置「LIFESCAPES 医療用BMI(手指タイプ)」を開発した。最終的には、装置を外しても自分の意思で指が動かせるようになる。

LIFESCAPESは慶應義塾大学発の研究成果活用企業。その中核となるのは、慶應義塾大学理工学部牛場潤一研究室で10年にわたり研究が重ねられたきたBMI技術と、リハビリ医療に携わってきたプロフェッショナルのノウハウだ。同社の代表でもある牛場潤一教授は、「治ることを諦めない」リハビリテーション医療を提唱し、BMI技術の応用を進めている。
LIFESCAPES公式ホームページより

LIFESCAPES公式ホームページより


6月から、順天堂大学医学部附属病院順天堂医院リハビリテーション科、世田谷記念病院、豊中平成病院、十勝リハビリテーションセンターなど、全国の病院に順次出荷される。

現在は厚生労働省に保険適用を申請中。今後は、ヘッドフォン型脳波計とタブレットPCを使った、在宅でのリハビリにも使えるポータブル型BMI製品を開発していくということだ。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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