そして、AIを搭載したアプリを開発・展開する企業を支援する新たなテック経済が出現した。フォーブスが選ぶ注目すべきAI関連企業50社の年次リスト「AI 50」の構成にも、それは反映されている。6回目となるこのリストでは、米ベンチャーキャピタル(VC)のセコイア・キャピタルとメリテック・キャピタルの協力の下、最も有望な非公開AI企業を選出した。
評価額上位3社を見れば一目瞭然だが、ユースケースは非常に多岐かつ広範囲にわたる。
AIモデル開発企業で評価額860億ドル(約13兆1800億円)のOpenAIは、米金融大手モルガン・スタンレーやアイスランド政府を顧客に抱える。競合する米Anthropic(アンソロピック)の企業価値はフォーブスの報道によれば184億ドル(約2兆8200億円)で、ヘッジファンド大手ブリッジウォーター・アソシエーツとコンサルティング大手ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)に採用されている。430億ドル(約6兆5900億円)と評価された米Databricks(データブリックス)は、データ分析とAI導入ソフトウェアを英石油大手シェルと米郵政公社(USPS)に提供する。
「AI 50」に掲載されたスタートアップにとって、AI技術は顧客の想像力をかきたてる存在から、数十億ドルに上る収益の源泉へと進化した。
AIスタートアップは、シリコンバレーの投資家たちの注目を一身に浴びている。かつてもてはやされた各分野の企業が資金調達に苦しむ投資環境下で、2024年版「AI 50」掲載企業は総額347億ドル(約5兆3200億円)の資金を集めた。