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2024.04.16 10:30

2024年「注目すべきAI企業」50社、調達総額347億ドルの新テック経済圏

安井克至
このうち3分の1近くがOpenAIによるもので、マイクロソフトからの約100億ドル(約1兆5300億円)が多くを占めている。Anthropicの77億ドル(約1兆1800億円)、カナダ・Cohere(コヒア)の4億4500万ドル(約680億円)、仏Mistral AI(ミストラルAI)の5億2800万ドル(約810億円)など、台頭著しいAI研究企業の寄与も大きい。

こうした開発の現場を支えているのが、AIの導入を支援するインフラツールの数々だ。Baseten(ベーステン)、LangChain(ラングチェーン)、Unstructured(アンストラクチャード)をはじめ、多くの企業が2023年に急成長を遂げて今回リスト入りした。

ほかにもAI開発はさまざまな形で加速している。たとえば、Anduril(アンドゥリル)は防衛技術に特化して28億ドル(約4290億ドル)を調達し、Insitro(インシトロ)は創薬で6億4300万ドル(約990億円)を集め、Figure AI(フィギュアAI)は人型ロボットの開発で7億5400万ドル(約1160億円)を獲得した。

最新のAI技術をシームレスに自社アプリに組み込んでいる企業もある。Abridge(アブリッジ)は音声認識と言語要約を用いて、医師の診察を受けた際のやりとりを自動で文書化し記録するサービスを提供。Notion(ノーション)はGoogle WorkspaceやMicrosoft Officeを凌駕するべくデジタルワークスペース市場に参入し、Perplexity(パープレキシティ)は検索エンジンの改革をめざしている。

AI分野ではかつてなく競争が激化している。フォーブスの審査には今年、昨年の2倍を超える約1900件の応募があった。しかし、業界内の多様性は依然として低く、女性が共同創業者となっている企業はわずか12社で、このうち最高経営責任者(CEO)を女性が務めているのは昨年と同じく5社にとどまった。
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翻訳・編集=荻原藤緒

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