ウクライナでは3月、こうした空襲によって子どもを含む民間人600人が死亡した。4月11日未明には、ミサイル攻撃でキーウ州最大の発電所が破壊され、多数の世帯や重要な兵器の工房が暗闇に包まれた。米国のブリジット・ブリンク駐ウクライナ大使は「もっと多くの防空システム、そしてわが国の支援が、今すぐ必要です」と訴えている。
ウクライナ軍は劣勢に立たされている。だが優勢なロシア軍はと言えば、兵士はろくな訓練を受けておらず、車両は大昔のものだ。つまりウクライナ軍が劣勢なのは、たんに弾薬が不足している結果なのだ。
カボリ大将は「(ウクライナが)現在保持している領土と領空を守る能力は、米国の継続的な支援がなければ急激に低下するだろう」と議会で警告した。逆に言うと、米国の支援があればウクライナ軍は弾薬や武器を回復し、ロシア軍による空襲から都市を守り、近代的な兵器を急速に失っているロシア軍に対して、火力面で優位に立つことができるだろう。
悲劇的なのは、どちらになるかはウクライナ自身では決められないということだ。それはひとりの米国人にかかっている。米下院で、わずかな差で多数派を占める共和党のリーダー、ジョンソンその人だ。
ウクライナのヴォロディミル・ゼレンスキー大統領は、米国のウクライナ支援をめぐる政治的な事情も、この支援に何が懸かっているかもよくわかっている。
12日、エストニアのカヤ・カッラス首相に宛てたメッセージのなかで、ゼレンスキーはこう述べている。
「ウクライナのパートナーたちが断固とした行動をとれば、わたしたちはロシアのテロをこれ以上広がる前に打ち負かせる。わたしはそう確信しています」
(forbes.com 原文)