アウディ、ポルシェ、シュコダ、ベントレー、ランボルギーニなどのブランドを擁するフォルクスワーゲンは、中国東部の合肥市にある生産・研究開発拠点を拡張し、同国トップクラスの販売台数を誇る電気自動車(EV)に注力する。
フォルクスワーゲン中国事業トップのラルフ・ブラントシュテッターは、「合肥に新設する生産・開発拠点により、将来的に市場投入を約30%早めることができる」「今回の追加投資は、中国市場における技術開発能力の迅速な強化という当社の戦略に沿ったものだ」と語った。2030年までに30車種を超えるEVを中国市場に投入するとしている。
追加投資の明確な時期については明らかになっていないが、この発表は数日後にオラフ・ショルツ首相の中国訪問を控えたタイミングで行われた。
中国は10日、2024年第1四半期の自動車販売台数が前年同期比10.6%増の672万台だったと発表した。生産台数は同6.4%増の660万台だった。好調を牽引する新エネルギー車(NEV)の生産台数は同28%増の210万台、販売台数は同約32%増の209万台だった。
フォルクスワーゲンは今年、中国市場参入40周年を迎えた。中国の自動車産業に詳しいコンサルタントのトゥー・レはこの節目について、同社にとって「非常に重要」であり「中国市場で長くプレゼンスを保ってきた証拠だ」と話す一方、BYDやテスラなどの競合がひしめく中国市場で「最も厳しい時期を迎えている」とも付け加えた。
フォルクスワーゲンは中国で長年、上海汽車と第一汽車を合弁パートナーとしてきた。さらに昨年、中国EVメーカー小鵬汽車の株式を7億ドル(約1073億円)で取得し、同社と共同で2つの新型EVを開発している。他に、自動運転技術のHorizon Robotics、インフォテイメントのThunderSoft、ユーザーエクスペリエンスのARKなどともパートナーを組んでいる。
中国フォルクスワーゲンの従業員数は9万人に上り、中国に進出する欧州企業としては最大の雇用主だと同社は記者発表の中で述べている。
(forbes.com原文)