同社によると、Vision Proのジェスチャー操作システムの性能は驚異的だという。外科医のトレーニングにこのデバイスを使用することで、他のVRシステムと同様、外科手術のトレーニングに要する時間を40%~200%短縮することが可能だ。何よりも、医師が実際の患者を手術する前に技術を磨くことができる点が大きなメリットだ。
「我々の目標は、ユーザーをプリ・ヒューマン・コンピテンス(pre-human competence)に到達させることだ。これは、実際の患者で練習するのではなく、シミュレーションで技術を習得してから手術室に入ることを意味する」と、ファンダメンタルVRのCEO、リチャード・ビンセントは話す。
同じことは、メタが開発したMeta Questなどのハードウェア上で動作する他のトレーニングソフトウェアにも当てはまるが、Vision Proにはさらにいくつかの利点がある。
Vision Proの前面には複数のカメラが搭載されており、ジェスチャーコントロールの性能は高く、幅広い動きに対応する。また、ビンセントによると、このデバイスは映像の質も競合製品に比べて優れているという。
Vision Proには、Meta Questのようなコントローラーは付いていないが、スタイラスなどのサードパーティ製デバイスを使えば、ハプティクス(触覚伝達)を得ることが可能だ。外科医やフレボトミスト(米国の採血を専門に行う職業)は、Haplyが開発するハプティック・インターフェイスのInverse 3のようなツールを使って、バーチャルなシミュレーションにおいてもモノに触れているような感触を得ることができる。