トヨタの代表車種であるクラウンが、大胆な進化を果たしたことはご存知だろうか。伝統的なセダンタイプの車両だけではなく、車高を高めたクロスオーバータイプやよりスポーティなタイプ、ワゴンとSUVを融合させたタイプなど、ユーザーひとりひとりのライフスタイルや価値観に寄り添う選択肢を用意した。
そんな、多様化するライフスタイルにあわせて進化するクラウンとともに、Forbes JAPANではひとりひとりの価値観に寄り添い、共感する仲間が集うコミュニティ『CROWN “next-life” SALOON』を企画した。
このコミュニティを企画した理由は、「少し先の未来に必要な感覚や価値観」を深く思考し、そして実践する大人が“カッコいい”とされている今、自分あるいは自社だけでなく利他を志向する次世代リーダーの価値観と思考を共有することで、よりよい社会そして未来を模索すること。
この第一弾として2024年3月22日から24日の3日間にわたって、車両体験、試乗体験、トークセッションそしてサステナブルな商品展開の4つの体験型コンテンツを提供するイベントを、東京・虎ノ門ステーションアトリウム・カフェで開催した。
テーマは「SENSE of NEXT」。少し先の未来に向けて私達が向き合わなければならない環境問題にフォーカスする観点から、会場にはクラウンのFCEV(燃料電池車)そしてスポーツPHEV(プラグインハイブリッド車)を展示し、試乗体験を行った。
走行中のCO2排出量がゼロである燃料電池車や、高効率なプラグインハイブリッド車などの最新の電動車を体験することから、環境問題に取り組むこととクルマを走らせる楽しさが両立すること、そして今後のライフスタイルにおけるモビリティのあり方を考えるきっかけにしてもらうことを狙いとした。
最新のクラウンに興味を持った多数の来場者が訪れた会場には、各種クラウンの傍らで移動店舗キオスク「super normal market」を開催。「水素ステーションの近くにあるお店」をイメージした商品をピックアップした店舗では、環境活動家の深本南が監修したエシカルで地球環境に配慮したプロダクトを販売。ひとつひとつのアイテムを手にとり、その背景をじっくりと吟味する来場者の姿がみられた。
少し先の未来を、次世代リーダーたちと考える
さらに、抽選により参加できるトークセッション&座談会にはデザイナー/アーティストの篠原ともえやAuBの鈴木啓太、社会起業家/環境活動家の深本南、ヘラルボニーの松田崇弥、マザーハウスの山崎大祐といった、それぞれの分野で次の時代の価値観をつくるリーダーたちを招いた。まずはAuB鈴木啓太が登壇したセッションは、クラウンシリーズ車両性能開発担当の多和田貴徳と「NEXT LIFE with WELLBEING – ウェルビーイングが生む豊かさ」と題してトークを展開。
サッカー日本代表として活躍した鈴木啓太は、アスリートの腸内細菌の研究データから得た知見を一般の生活者にも取り入れやすい形で社会に還元すべく2015年にAuBを創業。サプリメント「aub BASE」やプロテイン「aub MAKE」といった製品でフードテック事業を展開している。
実際にクラウン(FCEV)に試乗した鈴木が「まるで浮いているんじゃないか、と錯覚しました」とその乗り心地の良さに驚いたことを語ると、多和田は「FCEVはエンジンがなく、振動感をかなり低減できます。それは乗る人にとっての高い快適性にも通じるんです」と解説。
取り入れた空気を水素と反応させたときに発生する電気で走るFCEV(燃料電池車)であるクラウン。ダストフィルターとケミカルフィルターにより、取り入れた空気を吸入前よりもきれいな状態で排出する。“走る空気清浄機”であるクラウン(FCEV)を、多和田は「人を、社会をコンディショニングしていく存在を目指しています」と説明すると、鈴木はおおきく共感の意を示す。
「健康で、ご機嫌でいる人を増やしていきたいんです。ご機嫌な大人が増えて、その子供もご機嫌で過ごすことができて、社会全体がご機嫌になる。そんな未来を作っていきたいんです」と鈴木。
AuBは人々の健康を通して、クラウン(FCEV)はマイナスエミッションなクルマという存在を通して、ともに、より良い社会を目指す。「社会への貢献」という価値観は、まさに未来に向けた必要な価値観であるということを確認できるセッションとなった。
続いて登壇したのはマザーハウス代表取締役副社長の山崎大祐と、ヘラルボニー代表取締役Co-CEOの松田崇弥。テーマは「NEXT LIFE with SOCIALITY – 社会を変える、新たな革新と挑戦」。
途上国から世界に通用するブランドを作るというミッションを掲げて創業したマザーハウス、そして知的障害のある作家とアートライセンス契約を結び、福祉を起点に新しい文化創造を目指すヘラルボニー。共通するのは社会のなかで見過ごされてきた存在に光をあて、その価値を社会のなかで高めていく道なき道を切り開いていく挑戦心だ。
「クルマは必ずCO2を出すものだという思い込みが僕らにはありました。しかし僕も実際に乗ったクラウン(FCEV)はCO2を出さないどころか空気を綺麗にするというじゃないですか。そんな革新的な存在に共感を覚えました」(山崎)
「“粋”だなって感じたんです。まだ社会に充分に広まっていないFCEVの価値を社会に広めるという役割を、トヨタの代表車種であるクラウンに担わせたわけですよね。トヨタの挑戦心をあらためて感じました」(松田)
ともに前例のない挑戦を続けてきた山崎と松田は、クラウンが大切にしてきた“革新と挑戦”のスピリットに称賛を送る。さらに山崎は熱く語る。「クラウンの勇気が嬉しい。きっと社内からも、古くからのクラウンのファンからも賛否はあったはずです。それでも未来に向かってやる、その勇気には僕も力づけられた思いです」
生活に馴染み深いもので体験する、水素の意外な環境貢献
トークセッションのなかでは、UCC上島珈琲が提供する、水素を熱源として焙煎されたコーヒー豆によるコーヒーを提供。通常のコーヒーの焙煎では一般的には天然ガスを使用するが、UCC上島珈琲では2022年から水素を熱源とした珈琲焙煎技術の研究を開始。燃焼時にCO2を排出しない水素を熱源とするコーヒー焙煎を、カーボンニュートラルに向けた取り組みの一つとして取り組んでいる。従来の熱源による焙煎との味覚差はまだ研究中であるとしながらも、提供されたコーヒーは充分においしいもの。登壇者と来場者でのコーヒーブレイクもまた、カーボンニュートラルな形で行われた。
「おいしいコーヒーでみなさん“ウルトラリラックス”してますかー?」と、自身の歌手としての代表曲にかけて場を明るく和ませたデザイナー/アーティストの篠原ともえと、クラウンチーフエンジニアの清水竜太郎によるトークセッションのテーマは「NEXT LIFE with DESIGN - 未来につなぐ、人を豊かにするプロダクトデザイン」。
2020年にアートディレクターの池澤樹とクリエイティブスタジオ「STUDEO」を設立した篠原ともえ。2022年にはデザインとディレクションを手掛けた革のきもの作品が、ニューヨークADC賞のブランドコミュニケーションデザイン部門・シルバーキューブ(銀賞)ファッションデザイン部門ブロンズキューブ(銅賞)、東京ADC賞を受賞。その感性は高く評価されている。
篠原は、革のきものの制作を通じて「伝統を繋ぐ手伝いができた」という体験を語る。きものを作るために必要だった革の制作を通じて、休職していた革職人が再び現場に復帰する後押しができたのだという。
「クラウンの歴史においても“革新と挑戦”そして“継承と進化”というキーワードが連綿と受け継がれています」と、クラウンの伝統を語る清水。その一方で、今回のクラウンでは4車型のラインアップ型や新しいパワートレインを採用するという「型破り」に挑戦したという大胆な進化についても語る。
それは、伝統的なきものに対してレザーというテキスタイルを適用した篠原の挑戦にも通じるもの。伝統という価値を持つプロダクトにおいて大胆な進化に挑戦することが、実は伝統を未来に繋げるものであることを再確認するトークセッションとなった。
最後のセッションは「NEXT LIFE with SUSTAINABILITY - エシカルと豊かさを生むライフスタイル」。社会起業家/環境活動家の深本南が、Forbes JAPAN Web 編集長 谷本有香と語り合った。
10歳という少女の頃から気づけば環境活動家を志していた深本。学生時代には環境団体を共同設立し、ファッション業界でのラグジュアリーブランドのECコンサルティングなどを経て、2020年にはサステナブルな暮らしをガイドするメディア「ELEMINIST」を創設。現在では会場でも展開したエシカルなキオスク「super normal market」のプロデュースなどサステナビリティをテーマにした事業を多数展開している。
「エシカルな暮らしってどうしたらいいの? とよく質問されるんですが、わたしはいつも“ゲーム感覚で置き換えたらいいんですよ”と答えています。調べてみたら身の回りのことをエシカルにしていくことって、実は簡単にできることがたくさんある。自宅で電力会社から購入している電気を再生可能エネルギーにすることだって、3分程度の手続きでできてしまうんです。自分の暮らしでエシカルにできることってないかな? っていう視点を持つことが大切だと思います」(深本)
「コストパフォーマンスが良いとか、カラダにいいとか、自分に利のあることについては生活者はみな自然に取り入れていたはずです。エシカル消費が進んでいかないのは、ネイチャーポジティブに対してSDGsの文脈で言語化していなかっただけ、という見方もできますよね」(谷本)
エシカルな取り組み、そして社会の認識についてそれぞれの立場から語るふたり。共通するのはひとつひとつのプロダクトや自身の生活習慣を意識的に見つめ、気づきのチャンスを増やしていくこと。そんなふたりにとってのクラウン(FCEV)は、まさに気づきのひとつ。
「いつだって社会課題を解決したいと思っている」という深本は、水素で走るクラウン(FCEV)について「トヨタの挑戦に拍手を送りたいし、生活を良くしながら環境にも良くなるという自分のスタイルにもぴったり合う」と絶賛。
また「これからの時代は右脳」だと語るのは谷本。効率と生産性を追求してきた左脳の時代から、人々は直感的によいものを見分ける時代へと変わっていると自身の認識を語る。そんな人々の直感に広くアプローチすべく、代表車種にFCEVというパワートレインを搭載したトヨタのクラウンは、生活者が考える「エシカルな、これからの豊かさ」に一石を投じる存在。少し先の未来においてのエシカルが生む豊かさは、モビリティも含んだライフスタイルすべてのなかにあるものだということを認識するセッションだった。
カギは「自分ごと」。未来への関心の高さを再認識
トークセッションは盛況。展示されたクラウンには常に人だかりが絶えなかった今回のイベント。その様子をほほえみを浮かべて眺めていたクラウンチーフエンジニアの清水に、イベントの手応えを尋ねた。「クラウンは多様なお客様のライフスタイルに寄り添うブランドとして、選択肢を提供する存在でありたいと考えています。その点で、クラウンを、そしてFCEVをもっと身近なものとして捉えて欲しいと思っていました。自分ごと化していただくことで、よりクラウンの価値をわかっていただけると考えているからです。その点で、男性だけでなく女性や若い方もたくさんいらしていただいたことに、関心の高さを感じました。今後も多様なスタイルのクラウンを通じて水素の魅力をお伝えしていきたいですし、それぞれの方とつながっていきたいと思っています」(清水)
多角的に、少し先の未来を考えた「CROWN "next-life" SALOON with Forbes JAPAN –SENSE of NEXT- 」。大胆かつ革新的な挑戦から生まれたクラウンをきっかけに、ウェルビーイングや社会を変える挑戦、未来に向けての豊かさを生むデザイン、そしてエシカルな暮らしといったさまざまなキーワードを通じて次世代リーダーが語り合った。「少し先の未来」は、生活者の暮らし、そしてビジネスにおいて、誰にとっても同じように訪れる。そこにどのような意味を持たせるのか。それは、ひとりひとりに委ねられている。
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