欧州

2024.04.12 15:00

欧州で相次ぐゴールデンビザ廃止、スペインも決定 不動産価格高騰で

スペインのペドロ・サンチェス首相は、深刻な住宅難に陥っているこれらの地域では「そこに住んで働き、毎日税金を納めている住民がまともに住める場所を見つけることがほぼ不可能になっている」と指摘。「これは私たちが必要としている国のあるべき姿ではない。なぜなら住宅の投機的な売買によって格差が拡大するなど、私たちは多大な被害を受けているからだ」として、政府は今週にも、国内外で論争を呼び、厄介な政治問題となっているゴールデンビザ制度の廃止に向けた第一歩を踏み出すと明言した。

同制度の廃止を決定する前の昨年時点では、スペイン政府はゴールデンビザ取得に必要な最低投資額を現行の2倍となる100万ユーロ(約1億6400万円)に引き上げることを検討していた。

政治的に有害なゴールデンビザ制度

スペインでは、不動産価格の高騰によって住民が住み慣れた地元から追いやられる中、手頃な価格の住宅を確保することが国民の最大の懸念事項となり、ゴールデンビザ制度が政治的に「有害」と見なされるようになった。この問題を巡って連立政権内部には亀裂が生じ、同制度を廃止する圧力が強まった。

米経済メディアのビジネスインサイダーによると、経済協力開発機構(OECD)は、スペインの若者が親元から独立する平均年齢が昨年、EU平均の26歳を大幅に上回り、30歳に達したとの調査結果を報告した。この理由について同機構は、スペインの若者は親元を離れて就職活動をすることが難しく、成人として独立することが困難になっていると分析している。
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翻訳・編集=安藤清香

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