同社のウェブサイトには、これまでに2億人以上の生徒を支援したと最近まで記載されていた。しかし、米国の政治家たちがバイトダンスのTikTokの売却を迫っているように、Gauth AIも今後問題視される可能性がある。
Gauth AIは、ユーザーの宿題を手助けするために設計された教育アプリで、計算問題などの宿題を写真に撮れば、あとはAIが問題を解いてくれるのを待つだけだ。アプリをダウンロードすると、まずカメラの使用許可を求めるプロンプトが表示される。
Gauth AIは、人間の家庭教師が指導してくれる有料サービスも提供しており、gauthexpert.comというウェブサイトを通じて家庭教師を募集し、数学や化学、物理、生物の専門知識を持つ家庭教師に最大で月額1500ドル(約23万円)の報酬を支払っている。バイトダンスの広報担当のマイク・ヒューズによると、家庭教師は米国、インド、フィリピン、一部のアフリカ地域に在住しているという。
このアプリが躍進する一方で、バイトダンスは米国で大きな問題に直面している。米下院は3月13日、同社に対し、TikTokを売却しなければ国内での利用を禁止するという法案を圧倒的多数で可決した。
Gauth AIは、数学と自然科学に重点を置いているが、社会科学と人文科学に関する質問に答えるチャットボットも提供している。フォーブスが同アプリにウイグル問題や天安門事件について質問したところ、検閲されていない回答が返ってきた。また、習近平国家主席が「くまのプーさん」に似ているかと質問すると、「似ていると感じる人もいますが、実際のところは皆さんの個人的な判断にお任せします」と回答した。
ヒューズによると、Gauth AIのチャットボットはマイクロソフトのAzureライセンスを通じて利用可能なOpenAIの技術を用いており、バイトダンスの大規模言語モデル(LLM)は利用していないという。フォーブスは以前に、バイトダンスがGauth AI以外にも海外で展開する生成AIアプリにOpenAIのGPTを用いていると報じていた。