確かに、この数十年の間に消費者の嗜好が変化したことで、多くの歴史的に名高い車名がスクラップ置き場に追いやられてしまったが、それでも伝統的な乗用車は、トヨタ・カムリを筆頭に、米国で最も売れている25車種のうち5車種を占めている。
それらの名誉のために言っておくと、乗用車は概して、より大きな箱型のSUVよりも、購入価格が安く、操縦性が機敏で、乗り心地が良く、燃費に優れる傾向がある。
残念なことに、これまでの自動車の安全性における進歩は、大きさと重さに関する物理の法則を意味のないものにするまでには至っていない。他の条件がすべて同じであれば、フルサイズSUVのような大きくて重い車両は、より小さくて軽いセダンのようなクルマよりも、衝突時に有利であることが多い。
ゆえに、(巨大なSUVではなく)乗用車を購入しようとする人で、安全性を新たなクルマ選びにおける優先順位の最上位かまたはそれに近いところに置いている人は、衝突事故の際に乗員を最も粘り強く保護し、最も危険な衝突を防ぐために必須の技術、特に前方自動緊急ブレーキを装備しているモデルを選びたいと思うだろう。
試験の方法
そこで我々は、米国の保険業界が助成する非営利団体の米国道路安全保険協会(IIHS)によって実施された安全性評価の最新結果を参照し、その広範な衝突試験と評価プログラムに基づいて、乗員保護と事故回避に関して、小型車、中型車、大型車の各セグメントから、どの乗用車が最も安全であるかを確認した。2024年は17車種の乗用車が、IIHSによる高評価の称号「トップセイフティピック(TSP)」または要件がさらに厳しい「トップセイフティピックプラス(TSP+)」を獲得した。
IIHSが実施する衝突安全試験には、前面および側面衝突試験、木や電柱に衝突することを想定した運転席側および助手席側のスモールオーバーラップ前面衝突試験などが含まれており、TSPを獲得するには、これらすべての試験で高い評価を得なければならない。なお、IIHSが最近、側面衝突試験を見直し、Tボーンクラッシュと呼ばれる側方から衝突された事故の際に、後部座席の乗員をどれくらい保護できるかを明らかにしたことは注目に値するだろう。
「+」なしのTSPと評価されたクルマは、上記のほとんどの試験で最高点の「Good(優)」を獲得したものの、最近見直された側面衝突試験で、いくつかの項目が2番目に良い「Acceptable(良)」評価だった。