2024.04.13 12:00

「最も安全な乗用車」2024年版、米道路安全保険協会が評価 日本車も多数

安井克至
また、TSPやTSP+を獲得するためには、日中と夜間走行時の両方で、他の車両だけでなく歩行者との衝突回避も支援する高評価の前方自動緊急ブレーキを装備していることも条件となる。

さらに、上位評価を獲得するクルマは「Good」または「Acceptable」と評価される性能のヘッドライトを標準装備していなければならない。道路の前方を明るく照らすことは、見落とされがちだが、自動車の安全にとって重要な要素である。交通死亡事故の約半数は暗闇で、その4分の1は照明のない道路で発生しているからだ。

この項目で評価が低かったヘッドライトの多くは、直線道路を55mph(約89km/h)で走行しているドライバーが、進路上に障害物を発見してから停止して衝突を避けるために十分な照度がなかった。

これらの車種は、米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)が実施した衝突試験でも、乗員保護性能に関して満点評価の5つ星を獲得している。

試験の限界

残念なことに、IIHSもNHTSAも、評価対象を業界で最も売れている車種に集中させる傾向があり、価格帯の上位に位置する高級車や生産台数の少ないスポーツカーは除外されがちだ。さらに、新型車や最近モデルチェンジした車種はまだ試験されていない場合もあるが、評価は継続的に更新される。

なお、前述した物理の法則によって、前面衝突試験の結果は同サイズの車両同士でないと正確に比較できない。つまり、衝突試験で最高評価を得たコンパクトカーが、衝突事故に遭った際に、最高評価を得られなかった大きくて重いクルマよりも、乗員を保護できるとは限らないということだ。一方、側方衝突試験の結果は、やり方によって、車両のサイズや重量の区分を超えて問題なく比較することができる。

現行モデルおよび過去のモデルで、衝突試験を受けたすべての車種(今回ご紹介した乗用車以外にSUVやミニバン等も含む)はIIHS(www.IIHS.org)とNHTSA(www.nhtsa.gov/ratings)のサイトで確認できる。

IIHSによる2024年の安全性評価でTSPおよびTSP+を獲得した乗用車は以下のとおり。

小型車
アキュラ・インテグラ(TSP+)
マツダ・マツダ3 セダン(TSP+)
マツダ・マツダ3 ハッチバック(日本名:マツダ3 ファストバック)(TSP+)
トヨタ・プリウス(TSP+)
スバル・インプレッサ(TSP)
トヨタ・プリウス プライム(日本名:プリウス プラグインハイブリッド)(TSP)
ヒョンデ・エラントラ(TSP)

中型車
ホンダ・アコード(TSP+)
ヒョンデ・アイオニック6(TSP+)
スバル・アウトバック(TSP)
トヨタ・カムリ(TSP)
メルセデス・ベンツ Cクラス(TSP)

大型車
ジェネシス・エレクトリファイド G80(TSP+)
トヨタ・クラウン(TSP)
BMW 5シリーズ(TSP)
ジェネシス G80(TSP)
ジェネシス G90(TSP)

forbes.com 原文

翻訳=日下部博一

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事