その数日後、ギャラガー議員は国防総省を最大の顧客とする国防テクノロジー企業パランティア・テクノロジーズの職務に就こうとしていることがフォーブスの取材で明るみに出た。パランティアの幹部も以前から反TikTokの立場を明確にしており、長年の「対中強硬派」として知られるギャラガー議員が同社に加わることは、利益相反に問われる可能性が浮上した。
下院の規則では、議員は雇用に関する交渉内容を倫理局に開示し、利害の対立が生じたり、生じるように見える活動から身を引くことが義務付けられている。議員がその規定によって身を引いた場合は、それが開示されるが、現時点で下院のポータルにギャラガー議員に関する情報は掲載されていない。
ニュースサイトThe Interceptは米国時間3月21日の記事で、パランティア幹部のTikTokに関する主張が、利益相反に問われる可能性を報じていた。同社のアレックス・カープCEOと、米中経済・安全保障調査委員会(USCC)のメンバーで同社の政策顧問も務めるジェイコブ・ヘルバーグはTikTokの禁止を議会に求めているが、米政府に軍事ツールを販売しているパランティアは、米中の緊張が高まることで経済的利益を得る可能性がある。
議員による雇用交渉に関する記録が実際に開示されることは稀で、これまで下院のポータルシステムに掲載されたのは、テキサス州選出のファイルモン・ベラ議員(2022年)と、バージニア州選出のジェームズ・モラン議員(2014年)に関する開示の2件のみだった。しかし、先月ギャラガー議員が表明したように、任期の途中で議員を辞職する議員も同様に稀だ(ギャラガー議員は議員の職務を4月19日付で辞職すると表明した)。
ギャラガー議員の代理人はフォーブスのコメント要請に、「議員は下院の規則を知っており、遵守しています」と回答した。
ギャラガー議員が後押しした法案は、TikTokの親会社であるバイトダンスに対し、180日以内にこのアプリを分離するか、さもなくば米国内での使用を禁止することを求めるものだ。上院では、TikTokだけでなく、フェイスブックやインスタグラム、X(旧ツイッター)、YouTubeなどの米国の主要な競合も対象に含める包括的な個人情報保護法を可決するかどうかが議論されている。
法律事務所Harmon Curranのブレット・カッペル弁護士は、議員の雇用交渉の開示に関する規則は「かなり緩い」とフォーブスに語った。同氏によれば、議員が開示を行うのは実際に「雇用条件に関する交渉が行われている最中」でなければならず、「予備的な接触」は報告義務の対象にはならないという。
フォーブスはTikTokとパランティアにコメントを求めたが、期限までに回答はなかった。
(forbes.com 原文)