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2024.04.13

米ケーブルTV業界を駆逐するYouTube TV、有料会員が800万人突破

Rafael Henrique/SOPA Images/LightRocket via Getty Images

YouTubeが米国内で展開している有料テレビサービスのYouTube TVは、2026年末までに有料テレビ配信のトップになると予測されている。調査会社MoffettNathanson(モフェットナサンソン)は、視聴者のコードカッティング(ケーブルTV離れ)が従来のケーブルTVや衛星TVなどの多チャンネルビデオ番組供給会社(MVPD)の顧客を奪い続ける中で、バーチャルMVPD (vMPVD、配信によるテレビチャンネルのバンドルサービス)に分類されるYouTube TVが加入者数を増やし続けると予測している。

2017年に始動したYouTube TVの加入者数は、2023年末時点で800万人を突破したと報告されており、Charter(チャーター)やComcast(コムキャスト)、DirecTV(ディレクTV)に次ぐ第4位の有料テレビ配信事業者となっている。チャーターとコムキャストの加入者数は、それぞれ約1400万人だが、モフェットナサンソンは、今後の数年間でYouTube TVの加入者数が毎年150万人ずつ増加し、2026年末に1240万人に達すると予測している。

それとは反対に、チャーターやコムキャスト、ディレクTVの3社は、加入者離れの影響を受け続ける見通しだ。2023年には100万人がチャーターを解約し、200万人がコムキャストを解約した。2023年のケーブルTVの解約者は、他のネットワークを含めると380万人にも達していた。

それに比べてYouTube TVの加入者数は、2022年半ば以降に約300万人増加しており、グーグルは2023年に最も成長した同社のプロダクトがYouTube TVだと述べていた。

一方で、vMVPDを含む有料テレビの世帯普及率は現在、55%を下回り、1989年以降で最低となっている。モフェットナサンソンは、MVPD解約者の26.5%が最終的にvMPVDサービスに移行したと推定している。
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編集=上田裕資

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