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2024.04.12 14:15

韓国で生きたペットの代わりに「石」を愛玩する若者たちが増加している

New Africa / Shutterstock.com

「伴侶石」が唯一のパートナー

こういった伴侶石の人気を証明するかのように、昨年11月に投稿されてからインスタグラムのリールで934万回の再生を達成した石を洗う動画がある。
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この動画は、「オニャン石山」という石材会社の社員が、盥に石を入れてひたすら水洗いしているというものだ。「いいね」も実に7万以上もついている。

さらに興味深いのはコメントのほうだ。「愛玩石をあんなにまとめて強圧的に洗うなんて、これって動物虐待じゃありません?」というコメントに対し、「すみません、次からはとにかく油を塗ってクラシック音楽が流れるところで洗います」とユーモラスな本人からのコメントへの返信が続く。また、「うちの石は洗いたくないと暴れるのに、ここの石ちゃんたちは大人しいですね」など、面白いコメントもたくさんついている。

この石材会社の社員(会社は家族経営で、実際はオーナーの息子だが)は、昨今の建設不況のせいで会社が赤字になるのを苦慮して、宣伝になればと思い、こうした石に関する動画を投稿したという。結果、意外に好評で会社に石の注文が殺到したらしい。
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しかし、石材会社はB2B(企業間取引)ビジネスなため、売るのが一般消費者向けではないので困っていたところ、コメントに「愛玩石」を販売したらどうかというのがあり、これを売り出すとすぐに完売したという。

そして、B2B事業のほうも順調になり、会社は赤字から黒字へと盛り返した。ちなみに、愛玩石は「オニャン石山」の主力ではなかったため、収益金は全額寄付したという。

この伴侶石は、2021年頃から徐々に流行し始め、いまではセレブたちまでもSNSで伴侶石を育てる姿を公開している。こうした需要によって、あるコンビニ大手では「ペットストーン」という企画展を披露した。そこでは、ペットストーンガイドブックや品質保証書なども提供した。

韓国で流行り出した「愛玩石」事業だが、米国では1975年にすでに一度ブームを迎えている。ゲリー・ダル(Gary Dahl)という人が「愛玩石」を売り出し、事業として大成功をおさめた。

ボッチ社会になるにつれ、心の癒しのためにモノを擬人化することが増えるという。恋愛も結婚もあきらめてしまった韓国の若者がボッチになった。世話をするのは大変だが、癒しがほしい、そんなボッチが行きついたのが、「石」ではないだろうか。

忙しいときは多少放っておいても埃をかぶるだけだし、いつでも自分が置いた場所から離れることもない。世の中、自分の思い通りに行かないことが大半だが、伴侶石だけは自分の思い通りになる唯一のパートナーなのではないだろうか。




온양석산(@_stonegold) • Instagram 사진 및 동영상
 
 
販売されている愛玩石の例。だいたいは丸みを帯びているのが特徴

販売されている愛玩石の例。だいたいは丸みを帯びているのが特徴

文=アン・ヨンヒ

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