アルファベットの株価は9日の日中に159.89ドルの史上最高値をつけ、終値も158.14ドルと、株式分割を考慮したベースでの上場来高値を更新した。
同社の時価総額は1兆9500億ドル(約296兆円)に達し、2兆ドルの達成まであと3%に迫った。アルファベットは、このマイルストーンを2021年後半に、わずか数分間、達成していた。現状で時価総額が2兆ドルを上回る企業は、アップルやマイクロソフト、エヌビディアに加えサウジアラビアの石油大手サウジアラムコのみとなっている。
アルファベットの株価は、年初来では13%高で、2022年の末からは77%上昇している。同社株価の上昇は、広告部門の記録的な利益と、同社がAIブームでさらなる利益を上げるという投資家の楽観的な見方に後押しされている。アルファベットのPEFR(Price-Future Earnings Ratio)は現在、ここ2年間で最も高い水準にあり、市場が同社の将来の利益のポテンシャルに賭けていることを示している。
ファクトセットによると、アナリストの目標株価の平均は166ドルで、アルファベットの時価総額は2.1兆ドルになると予想されている。
アルファベットの強気派の1人であるオッペンハイマーのアナリスト、ジェイソン・ヘルフスタインは7日のメモで、グーグルが検索エンジンに生成AIを導入することによって業績を伸ばすとの楽観的見方を引用し、アルファベット株の目標株価を185ドル(時価総額2兆3000億ドル)に設定した。このことが、8日の市場で同社の株価を1.5%上昇させた。
アルファベット株への投資の過去10年間の年率換算のリターンは19%で、S&P500の13%を軽々と上回っている。しかし、アマゾンやアップル、マイクロソフト、メタ、エヌビディアらが達成した20%を超えるリターンにはおよばない。
アルファベット株の同業他社を下回るパフォーマンスは、同社が提供するAIに対する評価が分かれていることを反映している。しかし、ここ最近はグーグルが生成AIにおけるトッププレイヤーの一社に台頭し、AIを活用した検索への課金を検討しているとの報道を受けて、センチメントは改善している。
アルファベットは、今月末に第1四半期決算を発表する予定だが、アナリストは同社が190億ドル近い過去最高益を報告すると予想している。
(forbes.com 原文)