GM傘下クルーズ、「自動運転タクシー」のテストを再開

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米ゼネラル・モーターズ(GM)傘下の自動運転テクノロジー企業Cruise(クルーズ)は4月9日、数カ月前から停止していたロボットタクシーサービスのテストを再開すると発表した。同社は昨年10月にサンフランシスコで起きた歩行者を引きずる事故に対する批判や、当局からの運航許可の取り消しを受けて、すべてのオペレーションを一時停止していた

同社は、アリゾナ州フェニックスで人間のドライバーが運転操作を行うロボットタクシーのテストを行った後、他の「一部の都市」でのテストを再開させると述べている。

クルーズによると、これらのテスト車両は自動運転システムを介入させずに地図データを作成し、交差点や工事現場、道路標識に対する車両の反応などの情報を収集する目的で使用されるという。

同社の車両は、そこから得たデータを「異なる環境やシナリオ」に適用する。クルーズによると、このプロセスは、人間のドライバーが運転を学ぶ過程とほぼ同じだが、はるかに多くのデータと継続的な学習が、同社の車両全体で共有されることになるという。

クルーズは、公道上でのテストを再開する前に、シミュレーション環境と社内のテストコースで自動運転のトライアルを実施すると述べている。

同社は、次のテスト段階で人間のドライバーが乗車しない自動運転車両の評価を行う予定だという。しかし、公道を走行する車両には、人間のセーフティドライバーが同乗して監視を行い、必要な場合は運転操作を行うという。

クルーズの広報担当者のサラ・オーティオは、今回のテストが同社の自動運転システムを検証する上での「重要なステップ」であり、「最終的に自動運転オペレーションを再開する際に役立つデータを入手できる」と述べている。

クルーズは昨年10月、カリフォルニア州の当局が同社の車両が「危険をもたらす」と判断し、運航許可を取り消した数日後に、全米での自動運転オペレーションを停止した。当局の決定は、サンフランシスコで女性の歩行者が、クルーズの自動運転車両に引きずられたという報道を受けてのものだった。

クルーズは「社会的信頼の回復に務める」と発表した後に、950台のロボットタクシーをリコールし、「衝突検知システム」のソフトウェアアップデートを行った。クルーズの共同創業者で当時のCEOのカイル・ヴォクトは11月に同社を去り、他の幹部9名と従業員の4分の1は解雇された。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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