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2024.04.10 11:30

ファイザー製RSウイルスワクチン、60歳未満成人でも効果確認

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米製薬大手ファイザーは米国時間4月9日、RSウイルス感染症ワクチンの後期臨床試験で、18~59歳の成人への接種でも効果が確認できたと発表した。比較的若くても基礎疾患をもつなどの理由により重症化するリスクの高い人にも接種対象を広げることを目指す。(日本版注:現在、日本においても、特殊な理由をもつ新生児、乳児、幼児に投与するモノクローナル抗体製剤のパリビズマブを除き、基本的にRSウイルス感染症ワクチンは60歳以上の成人を対象としている

発表によると、基礎疾患のために重症化リスクの高い18〜59歳に、同社のRSウイルス感染症ワクチン「アブリスボ」を1回接種したところ、免疫反応が示されたという。

米食品医薬品局(FDA)は昨年、ファイザー製ワクチンについて60歳以上への使用を承認している。今回の試験では60歳以上と同等の免疫反応が確認されたという。

試験では、ワクチン接種前と比較して、RSウイルスの2つの主要な派生型に対する抗体レベルが上昇。ワクチンの「忍容性(ある医薬品の明らかな副作用を、患者がどの程度まで許容できるかを示すもの)が高く」、他のグループでこれまでに行った試験と同様の安全性が確認できたという。

今回の試験には18〜59歳の成人681人が参加した。そうした参加者にアブリスボまたはプラセボ(偽薬)を1回接種し効果を確認したのに加え、免疫不全の成人200人(うち半数は60歳以上)に1ヵ月の間をおいて2回接種した。

ファイザーは試験のデータを規制当局に提出して承認を待つ一方で、18歳以上の患者へのワクチン使用も要請する意向だ。また、重症化リスクの高い2〜17歳でのワクチンの効果についても研究している

ファイザーによると、18〜49歳でRSウイルス感染症を重症化させるリスクの高い慢性疾患を持つ人の割合は9.5%で、50〜64歳では24.3%に上昇する。

同社の調べでは、60歳以上を対象にしたアブリスボの後期臨床試験では、重篤な症状をもつ患者に対しては86%に近い効果を示したという。健康な成人がRSウイルスに感染した場合、軽い風邪のような症状を発症するが、高齢者や乳幼児、ぜんそくや糖尿病、慢性閉塞性肺疾患などを患う人は重篤化する可能性がある。

RSウイルス感染症ワクチンに関しては、英製薬大手グラクソ・スミスクラインも昨秋、50歳以上の成人向けの承認を申請すると発表。同社によると、リスクの高い50〜59歳でワクチン「アレックスビー」による免疫反応を確認し、効果は60歳以上の成人と同等だったという。GSKは発表の際、50〜59歳を対象とする治験のデータを当局に提出する最初の企業となるとの見通しを示していた。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子

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