5. オスマン・キバル(米国)
資産額:17億ドル(約2600億円)→7.5億ドル(約1140億円)パンデミックがヘルスケア企業の価値を押し上げた時代は過ぎ去った。mRNA前駆体スプライシングに作用する変形性関節症や腫瘍の治療薬を開発するキバルのバイオテクノロジー企業BioSplice Therapeutics(バイオスプライス・セラピューティクス)は、2018年の資金調達ラウンドで120億ドル(約1兆8000億円)と評価された。だが、フォーブスによる最新の評価額は推定16億ドル(約2400億円)で、同社の非上場株を推定36%保有するキバルは長者番付から外れた。
6. ゲイリー・ローダー(米国)
資産額:13億ドル(約2000億円)→約9.6億ドル(約1500億円)化粧品世界第2位のエスティローダーの株価が36%下落したことで、ローダー一族の資産は大きく目減りし、創業者の孫で株式1%を保有するゲイリーは番付から脱落した。パンデミック以降、中国本土やアジアの旅行小売市場で需要がなかなか回復せず、業績が打撃を受けている。また同社は最新の決算発表で、昨年10月のハマスによるイスラエル攻撃以降、中東事業が混乱していると説明した。
7. ルク・タック(ベルギー)
資産額:12億ドル(約1800億円)→9億ドル(約1400億円)弱ベルギーの化学メーカー、テッセンデルロのCEOで傘下のピカノール・グループ社長も兼任する。テッセンデルロの株価は、農薬需要減少により直近1年間で18%下落した。2021年に当時取締役を務めていたスイスの繊維メーカー、リーターから、同社の内部情報を不正利用して競合するピカノールに有利な企業買収提案を行ったとして刑事告訴された。
8. ライアン・ブレスロー(米国)
資産額:11億ドル(約1700億円)→1億ドル(約150億円)弱決済スタートアップのボルト共同創業者・会長。同社は2022年1月に110億ドル(約1兆7000億円)と評価され、ブレスローは世界最年少ビリオネアの1人となった。だが、アクティバント・キャピタルから3000万ドル(約46億円)の融資返済計画に疑義を呈した取締役を解任したとして訴訟を起こされ、1年半で企業価値は暴落。同社は今年1月、投資家と従業員から97%の値引きで株式を買い戻した。これは元デカコーンの価値が3億ドル(約455億円)しかないことを示唆している。
(forbes.com 原文)