1. 王文銀(中国)
資産額:190億ドル(約2.9兆円)→8億ドル(約1200億円)弱中国の非鉄金属大手、正威国際集団の取締役会長で「世界の銅王」の異名をとったが、昨年10月、プロジェクト契約絡みの係争をめぐって裁判所から保有する同社株式を3年間凍結する命令を受けた。王は同社株の90%を保有し、これが資産の大部分を占めていたためビリオネアの地位から転落した。昨年のフォーブス世界長者番付では中国で9番目の富豪だった。
2. レネ・ベンコ(オーストリア)
資産額:60億ドル(約9100億円)→0ドル(0円)オーストリアの不動産王。経営していたシグナ・ホールディングが昨年末に経営破綻し、ビリオネアの資格を失った。続けて、ニューヨークのクライスラー・ビルなどを保有する子会社シグナ・プライム・セレクションとシグナ・デベロップメントが破産を申請。この2社の純資産価値にもとづいて、フォーブスはベンコの推定純資産を0ドルに引き下げた。先月、ベンコ自身も自己破産を申請した。
3. 許家印(中国)
資産額:30億ドル(約4600億円)→約7億ドル(約1060億円)中国の不動産バブル崩壊の象徴。中国証券監督管理委員会は今年3月、投資家を欺き業績を水増ししたとして不動産開発大手の恒大集団に約5億8000万ドル(約900億円)、創業者で会長の許に約660万ドル(約10億円)の罰金を科した。巨額の債務返済のため香港高等法院(高裁)が恒大の清算命令を出し、絶頂期の2019年には推定360億ドル(約5兆円)あった許の純資産は約7億ドルに激減。許は昨年9月以来、公の場に姿を見せていない。
4. ビジュ・ラヴェンドラン(インド)
資産額:21億ドル(約3200億円)→0ドル(0円)2011年に共同創業したオンライン教育企業Byju’sは、一時インドで最も高い評価額を誇り、他の教育スタートアップの買収も主導した。しかし今年1月、長く延期していた2022年3月期決算を発表し、10億ドル(約1500億円)超の純損失を計上。資本確保に苦戦し、不正会計疑惑も浮上する中、資産運用大手ブラックロックはByju’sの評価額を220億ドル(約3.3兆円)から約10億ドルに引き下げた。同社株主は2月、ラヴェンドランのCEO解任を決議した。