通信・サイバーセキュリティソフトウェア会社のENEA は今年2月、「全世界のメッセージ・トラフィックの4.8%は詐欺であり【略】今やメッセージング・エコシステムにおける詐欺の蔓延は著しく、2023年に送られた詐欺メッセージは198億~357億件に上り、詐欺メッセージのためにブランドは総額116億ドル(1兆7600億円)の損失を被った」と報告した。
消費者の反発を避けようとするRCS市場にとって辛い真実がある。いらだったユーザーがRCSのスイッチをオフにするのは、企業が最も望まないことだ。20億ドルの報酬がある市場であり、「RCSメッセージはEメールより35倍多く読まれ、RCSを使っているブランドのエンゲージメントは74%高いという調査結果が示すように、顧客と効率よく関わりあう能力を求めてRCSを導入する企業が増えている」ためだ。
金の卵を産むニワトリを早死にさせたい者などいない。またこれはAndroidユーザーのためのすばらしいモーニングコールであり、誰もが歓迎すべきことだ。もちろん、数十億件の望まれないメッセージを量産しているスパム工場は別だが。
「この確認のステップはRCSスパムをコントロールすることが目的であり、アップルがRCSのサポートをiPhoneへと拡大する前に行うことが重要だ」とニュースレターのAndroid Policeはいう。これはグーグルがAndroidをよりアップル風にするためにRCS分野で行った初めての措置ではなく、一部のルート化(改変)されたデバイスによるRCSの利用を禁止した決定も同様の目的だった。
もしアップルとグーグルが本気で協力して、たとえばWhatsAppを真のクロスプラットフォームのメッセージングソリューションにしたいのなら、スパムを排除するための防御がさらに何重にも必要になる。アップルはプライバシーとセキュリティにイノベーションを適用することに関して優れた実績があり、今こそそれが大いに必要とされている時だ。
(forbes.com 原文)