1プレイ100円で利益は6円 ゲーセンが街から消えていく

プレスリリースより

街中のゲームセンターの減少が続いている。2021年からゲームセンターの倒産または休業廃業の件数が2年連続で増え続け、直近5年間で3割の店舗が消えている。運営コストの上昇がおもな原因だが、今の世の中はゲームセンター経営には厳しい条件が揃ってしまったようだ。

ゲームセンターの倒産または休廃業の件数は、2011年には35件、2014年には29件と、件数だけを見れば直近の5年間の平均よりもはるかに多いのだが、その当時から店舗数は減り続け、この10年間に8000件が街からなくなっている。コロナ禍で激減した客足は戻りつつあり、2021年度の売り上げは前年度比1割増しと回復のきざしはあるものの、消費税増税、電気料金の引き上げ、ゲーム筐体の価格上昇、さらには硬貨の両替に手数料がかかるようになるといったゲームセンター泣かせの運営コストが膨れ上がってしまった。

また、このごろはクレーンゲームが人気だが、その景品の仕入れ価格も上昇している。帝国データバンクの財務データからゲームセンター運営企業の収益力を計算すると、売り上げ100円あたりの平均利益は6円となった。これでは中小のゲームセンターはたまらない。

その一方で、ショッピングモールなどに展開する大型チェーン店は好調とのこと。偏見かもしれないが、昔のゲーセンを知る世代には、どうしても不良の溜まり場的なネガティブなイメージがあり、子ども連れでは入りにくい感覚がある。ショッピングモールの明るく安全なゲームセンターが、今後は主流になっていくものと思われるが、ちょっと寂しい気もする。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事