それらは実質的に新車同然のサイバートラックであり、納車されてからすぐに中古車市場に転売された車両だ。中には数百キロメートルしか走っていないものもある。
サイバートラックの生産は昨年11月に始まっており、早期注文した人々にはここ数カ月の間に納車されている。
中古車市場で売りに出ているのは、すべて2024年式サイバートラックと記載されている。生産開始時期が最近であることを考えれば当然だろう。価格は、現在「CarGurus」の中古車情報ページに掲載されているサイバートラックを見ると、14万9000ドル(約2260万円)から24万ドル(約3640万円)となっている。「Kelley Blue Book」に掲載されているサイバートラックの中古車価格も同じようなものだ。
これらの価格は、テスラに新車を注文する場合と比べるとどうなのだろうか?
テスラの提示する車両価格は、2025年に遅れて発売予定の後輪駆動バージョンが6万990ドル(約930万円)、最高性能版の「サイバービースト」でも9万9990ドル(約1520万円)だ。もちろん、いま注文すると納車まで1年か2年は待たなければならない。ゆえに中古車市場で販売されているサイバートラックには、新車価格より高い値段が付けられることになる。つまり、この巨額の割増料金は、すぐに納車・満足を得るために支払わなければならない代償なのだ。
3月末にサイバートラックが納車された隣人から聞いたのだが、現在、納車されているサイバートラックでは、テスラの「Autopilot(オートパイロット)」や「Full Self Driving(FSD、フルセルフドライビング)」と呼ばれる運転支援機能(名称から勘違いしやすいのだが、今のところ完全な自動運転機能ではない)が有効になっていないという。このことは留意すべきだろう。テスラはまだサイバートラックに搭載したオートパイロットやFSDのテストを行っている最中だ。隣人は親切にも彼のサイバートラックを私に1時間ほど運転させてくれた。これほど大きなクルマにしては、驚くほど速くて機敏に走った。本当はFSDをテストしたかったのだが。
そう、そしてディーラーは、テスラからの警告にもかかわらず、サイバートラックを転売している。私は2軒のディーラーから話を聞いた。ロサンゼルス・トヨタとロサンゼルス・ヒョンデのディーラーだ。両ディーラーとも、サイバートラックの転売が禁止されている(あるいは、このクルマを納車された人が業者に転売することに問題がある)との認識はないと語った。そしてそのサイバートラックは、両ディーラーで現在販売中だという。
(forbes.com 原文)