2020年にMacBook ProとMacBook AirでデビューしたAppleシリコンのM1チップセットは、デスクトップパソコンにおける世代交代を体現していた。このインテルのx86プラットフォームからアップル独自のArmベースのプラットフォームへの移行は、Windowsベースの競合他社や旧型のインテルMacBookノートパソコンに対して大きな利点をもたらした。
新型MacBookは、同価格帯の同スペックのノートパソコンと比較して、顕著な性能向上を実現していた。バッテリー寿命が延長され、高いパフォーマンスが要求されたときでもそのレベルが維持された。そしてもちろん、アップルはエミュレーションレイヤーを提供し、ユーザーがx86ベースのアプリを性能を落とすことなく実行できるようにした。
競合他社は、アップルの進歩に対抗するための即時の対応を行うことはできなかった。その代わりに、Arm版Windows 10が、クアルコムのArmベースのチップとともに、モバイルの利点をプラットフォームにもたらすことに焦点を当てた。多くのデバイス、たとえばマイクロソフトのArmベースのSurface Pro Xは接続性、携帯性、Armの即時オン機能に重点を置いた。
これはすべて、弱いエミュレーション機能とのバランスを取るためのものだった。64ビットアプリの完全なエミュレーションは、2021年まで一般に利用できなかった(実現は標準的なPro Xの発売から2年後のことだ)。
現在、アップルのMacBook ProとMacBook Airのノートパソコンは、第3世代のチップセットに入っており、比較的順調に販売を続けている。しかし、今年後半、クアルコムのArm版Snapdragon X EliteがWindowsを搭載したノートパソコンに登場すると、その状況は変わることになる。
クアルコムはX Eliteチップセットを複数の記者にデモンストレーションし、リファレンスデザインのハードウェアを自由に体験させ、いくつかのゲームやアプリをテストさせた。現実世界の設定ではないが、X Eliteの全体的な状態を理解することができるような内容だ。
アップルは、現在のM3チップセットの能力を超えることを目指しているクアルコムとそのパートナーに対峙しようとしている。