人々の目を覚まさせるには何が必要だろうか。それはどうやら、天候不順ということになりそうだ。ハケットによれば、向こう数週間で、ロシアとウクライナを不安にさせそうな天候不順が2つ訪れる見通しとなっている。
まず、米国では5月上旬の2週間ごろに遅霜(おそじも)が降りる可能性が高い。遅霜が発生すると作柄に響き、収穫シーズンに小麦の供給量の減少につながるおそれがある。
一方、黒海に近いロシア南部の小麦の主要産地ではすでに乾燥した天候が続いていて、それが天候不順によってさらに悪化する懸念が出ている。
調査会社トレーディング・エコノミクスのデータによると、小麦の国際価格の指標となる米シカゴ先物は足元で1ブッシェル5.65ドルほどと、昨年7月につけたピークの7.57ドルから大幅に下げている。
米国とロシアのどちらかが天候不順に見舞われた場合、小麦価格は再び上昇に転じると見込まれる。どちらとも天候不順になった場合は、さらに急激に上昇が進むことになるだろう。
とはいえ、天候を予測するのは難しい。投資家は柔軟に戦術を変えていく姿勢で臨みたい。
(forbes.com 原文)