マスクは、Xでの発表の中で「Tesla Robotaxiを8月8日に公開する」と投稿しただけで、それ以上の情報は提供していない。
マスクは何年もの間、テスラがロボタクシーを提供すると述べてきたが、その発言は何度も裏切られてきた。
今回の発表は、テスラが低価格のEV開発を中止し、リソースをロボタクシーの開発に移行していると報じたロイターの記事について、マスクが「嘘をついている」と非難したわずか数時間後に行われたものだ。ただし、マスクはさらなる詳細を提供していない。
本当に今年の8月に発表されるのか?
マスクは2016年以来、自動運転車がいつ登場するかについて、実現されないタイムラインを口にし続けてきた。たとえばBusiness Insiderによると、2017年末までにテスラが大陸横断するだろうと述べていた。さらに、The Vergeによると、2019年には2020年半ばまでに、テスラの自動運転システムが非常に優れたものになり、運転手は道路に注意を払う必要がなくなるだろうと述べていた。
また2020年には、テスラがレベル5の自動運転技術を達成するのに「非常に近い位置にいる」と述べており、昨年もマスクはテスラが「人間の監視なしでの完全自動運転の実現にとても近づいている」と述べ、同社が「今年(2023年)後半」のある時点で完全自動運転車を実現すると述べていたが、2023年にロボタクシーは登場しなかった。
マスクの発表後、4月5日の市場終了から2時間後のテスラ株の上昇率は4.8%だった。
2024年のテスラは大荒れのスタートを切った。年初来で30%以上株価が下落し、今年最もパフォーマンスの悪い主要銘柄となった。電気自動車全般の需要の低下と中国からの競争の激化により、同社は1月の決算報告で、四半期利益が前年同期比40%減少し、売上高の伸びも予想を下回る3%に止まっている。
テスラはロボットタクシー市場で競争に直面するだろう。ゼネラルモーターズはCruise(クルーズ)を開発し、昨年カリフォルニア州で自動運転のライドシェアサービスを提供したが、10月に人間が運転する車に衝突された人を20フィート(約6.1メートル)引きずったため、カリフォルニア州の規制当局が同社の許可を取り消し、プロジェクトが中止されている。
グーグルの親会社アルファベットが所有するウェイモは、フェニックス、サンフランシスコ、ロサンゼルスで自動運転ライドシェアサービスを展開しているが、最近、フェニックスでウェイモの車でフードデリバリーを注文できるUber Eats(ウーバーイーツ)との提携を発表した。
フォーブスは、米国時間4月5日の夕方6時前の時点でマスクの資産を約1892億ドル(約28兆7000億円)と見積もっているが、これは世界で3番目に裕福な人物である。
(forbes.com 原文)