アップルは、カリフォルニア州の労働者調整および再訓練通知システムに複数回の登録を行い、サンタクララにある8つの異なるオフィスから614人の従業員を完全に解雇したと公表した。
提出書類に名前が挙がっている施設の1つで、58人の従業員が解雇された場所は、アップルが2014年に買収したマイクロLEDディスプレイ技術メーカー、LuxVue Technology(ラックスビュー・テクノロジー)の住所と一致している。
ブルームバーグは先月、アップルがApple Watch用のディスプレイを自社開発する計画を中止し「コストと複雑さ」があまりに大きいことが判明したとして従業員を解雇したと報じていた。
その他の解雇は、アップルが開発していた先進的な自動運転電気自動車に関連する施設で行われたもので、これは同社が先月中止したとされる野心的で費用のかかった10年間の試みだった。
『サンフランシスコ・クロニクル』によれば、解雇された従業員には、秘密プロジェクトに関連する工場のマネージャーやハードウェアエンジニア、製品設計エンジニアが含まれている。
これらは、パンデミック終息以来、アップルが行った最初の大規模な解雇だ。昨年のアップルは、グーグル、マイクロソフト、メタ、アマゾンなどの大手企業の従業員に影響を与え技術業界を席巻した大規模な解雇を避けることができた。アップルのCEOティム・クックは、昨年5月にCNBCとのインタビューで、大量解雇を「最後の手段」と見なしており「現時点では話にのぼっていない」と述べていた。
これは、Layoffs.fyiによる、米国時間今年4月5日までにテック企業が解雇したスタッフの総数は5万7785人となる。これらの解雇は、これまでに235の技術会社の従業員に影響を与えたが、今回そのリストにアップルが加わった。
先月ブルームバーグが報じたニュースは、アップルが、10年間の内部努力を捧げた自動運転車の開発の取り組みを放棄し、人工知能の開発に焦点を移したというものだった。アップルが電気自動車(EV)に取り組んでいることは、正式に発表されたことはなかったが、いわゆるプロジェクト・タイタンはアップル社内で最も野心的な取り組みの1つと見られていた。
同社はベテランのハードウェア・エンジニアであるボブ・マンスフィールドをプロジェクトのリーダーに抜擢し、その後、元テスラ幹部のダグ・フィールドをマンスフィールドの協力者として雇った。さまざまな報告によると、プロジェクトは波乱に満ちた開発環境となり、それが両名の退社につながったとされる。
プロジェクトはまた、当初のペダルやステアリングホイールのない完全自動運転車構想から、いわゆる「レベル2+」の自動運転システムに縮小されたと報じられている。これは車線中央を保持し、アダプティブ・クルーズ・コントロールを行うだけのものだ。アップルの株価は年初から大きく下落し、9%以上の下落を記録している。司法省主導の反トラスト法違反調査、中国での販売不振、AI導入の遅れなどに直面しているためだ。
(forbes.com 原文)