「世界で評判の良い国ランキング」の2015年版が発表された。このランキング「The World’s Most Reputable Countries」はボストンとコペンハーゲンに拠点を置くコンサルタント会社Reputation Instituteが毎年作成しているもので、今年で6回目。国際舞台で自国の評判を上げたい国や、企業へのコンサルティングに活用されているようだ。
今年の1位はカナダ。4度目のトップを獲得した。2位につけたのはノルウェー。昨年の6位からアップした。3位は昨年同様スウェーデン。トップ10の常連と言えるのがスイス、オーストラリア、フィンランド、ニュージーランド、デンマーク、オランダ。日本は16位、アメリカは22位だった。
調査は2015年2月から4月にかけてG8参加国の消費者4万8000人を対象にオンラインで行われた。また、中国やインド、ブラジルなどG8以外で経済力の高い12の国の3万人にもインタビューしている。
さて、カナダはどうしてこんなに評判がいいのか? 住みたい国としていつも名前が挙がる。不況の影響もあまり受けていない。旅行先としても人気だ。ケベックではヨーロッパの雰囲気を味わうことができ、冬にはモントランブラン、バンフ、ウィスラーなど東から西までどのエリアでもスキーを楽しめる。政権も安定しており、ビジネス環境も悪くない。
アメリカは調査開始以来、ずっとヨーロッパ諸国を下回る評価だ。調査担当のブラッド・ヘッチは、イラクやアフガニスタンでの軍事行動の失敗やシリアなど中東情勢の悪化が関係していると見ている。
「アメリカは自国の利益しか考えていないと思われているんです」
しかし、グーグルやディズニー、マイクロソフト、アップルなどの米国企業は高い評価を得ている。
テクノロジーの分野では日本とドイツが強い。文化面ではイタリアがトップだ。魅力的なライフスタイルとプラダやドルチェ&ガッバーナ、フェラーリなどの高級ブランドのイメージがイタリアの高評価につながっているとヘッチは語る。イタリアに続くのはフランスだ。
安全面で言ってもアメリカは最悪だ。多くの人が銃を保有しており、銃による犯罪も頻発している。また、人口は世界の5%なのに収監者の数は25%にのぼるともいわれる犯罪者の多さもネガティブな評価をもたらしている。
評判のいい国になることは重要だとヘッチは言う。気前よくお金をばらまいてくれる旅行者や投資先を決めようとしている民間企業、海外からの輸入品を買ってくれる消費者、支援や投資を計画している政府などを獲得するために、世界中の国々がしのぎを削っているからだ。50位までのランキングは以下の通り。
1位 カナダ
2位 ノルウェー
3位 スウェーデン
4位 スイス
5位 オーストラリア
6位 フィンランド
7位 ニュージーランド
8位 デンマーク
9位 オランダ
10位 ベルギー
11位 アイルランド
12位 オーストリア
13位 イギリス
14位 イタリア
15位 ドイツ
16位 日本
17位 スペイン
18位 ポルトガル
19位 フランス
20位 シンガポール
21位 タイ
22位 アメリカ
23位 ポーランド
24位 チェコ
25位 中華民国
26位 ブラジル
27位 ペルー
28位 ギリシャ
29位 アルゼンチン
30位 チリ
31位 フィリピン
32位 マレーシア
33位 モロッコ
34位 インド
35位 アラブ首長国連邦(アブダビ及びドバイを含む)
36位 インドネシア
37位 大韓民国
38位 メキシコ
39位 ベネズエラ
40位 トルコ
41位 南アフリカ共和国
42位 エジプト
43位 イスラエル
44位 カタール
45位 ルーマニア
46位 コロンビア
47位 中華人民共和国
48位 ウクライナ
49位 サウジアラビア
50位 アルジェリア