日本と欧州のマーケットの陰影
最近取引先の日本の百貨店などの店舗の方々と話をしていると、過去最高売上といういい話が多いのですが、この傾向は欧州の取引先の方々と話をしていると対照的です。欧州ではコロナ禍に高価格帯のマーケットが堅調に推移していたなか、日本では小売業は大きなダメージを受けていました。しかしコロナの影響も終わり人々が旅行に出る今、欧州のバイヤーと話をしていると「街に人がいない」とよく聞き、ここに来て欧州のマーケットの動きが鈍化しているように感じます。もともと僕らの取引先の店舗が都心の大型店ではなく地方の個店が多いという特徴もありますが、人々が抑えてきたトラベル需要が一気に出たなかで消費の仕方が大きく変わり、今までのようにものが売れないと話しているのです。加えて、終わりの見えない戦争や、各国で右翼的、排他的な思想の政治家が台頭するなどの不安定な社会情勢も、消費に暗い雲行きを落としているようです。
そんななか日本では、急激な円安の影響で海外に出るのを控え、日本の富裕層が日本国内で消費をしています。そこに日本に戻ってきたインバウンド需要が上積みとなりこの国内の活発な経済状況となっています。続く円安傾向のなかでこれからを考えた時に、「どのようにして日本国内で海外富裕層とのタッチポイントを作るか」が世界との窓口となります。