タブローCEOのライアン・エイテイは4月2日の声明の中で、「現代のビジネスで成功するためには、あらゆる職種の従業員が基本的なデータスキルを身につける必要がある」と述べている。Einstein Copilot for Tableauは、そのスキルの教育を合理化し、誰もがデータを理解するエキスパートになれるよう支援するものだ。
同社のCopilot(マイクロソフトのプロダクトは無関係)は、データセットに関連する質問を提案したり、大規模なデータセットから必要なデータを抽出したり、それを視覚化するためのチャート作成するなどの、さまざまなタスクをこなしてくれる。
このツールは、自然言語を用いて大規模で複雑なデータセットを処理することができ、ChatGPTと同じ種類の大規模言語モデル(LLM)により駆動している。これにより、身近な場所にデータアナリストやサイエンティストがいない数百万人もの人々が、データに基づく答えをすばやく見つけ出すことが可能になる。
セールスフォースは、何年も前からエンタープライズ向けAIに取り組んできた。2014年に始動した同社のAI研究チームは、これまでに300件を超えるAI関連の特許を取得している。同社は昨年、対話型AIアシスタントのEinstein Copilotを発表したが、その際にAI部門を率いるクララ・シーは「私たちは今、極めて重要な瞬間に立ち会っている」と述べていた。
セールスフォースのマーク・ベニオフCEOは以前から「AIファースト」の企業になることを目指しており、サポートから営業、マーケティング、製品開発などの、ほとんどすべての分野でのAIの活用を目指している。
同社が新たに発表したCopilotのベータ版もその方向への第一歩であり、仕事をより簡単にし、人々がより多く、より良い仕事ができるようにするものだ。
しかし、大規模言語モデル上に構築されたAIエンジンは、「幻覚」を見たりミスを犯したりする傾向がある。セールスフォースは、このような可能性を最小限に抑えるために、テクノロジーに信頼と安全のレイヤーを組み込んだと述べている。
このツールが仕事の現場に変革をもたらし、アウトプットの質を大きく向上させることは間違いない。このテクノロジーが100%に近い信頼性を備えて出荷されれば、それはゲームチェンジャーとなりうる。
タブローのCopilotは現状では限定的なベータ版として提供されているが、セールスフォースは今年の夏までに広く利用できるようにする予定だ。
(forbes.com 原文)