海外

2024.04.05 13:00

戦時下でも成長を続けるイスラエル新興企業、彼らが持つ「強み」とは

木村拓哉
「イスラエルは逃げも隠れもしない。イスラエルは売り出し中だ。私が最も懸念しているのは、従業員の最大20%が予備役で召集された小規模なスタートアップだ。そうしたスタートアップを支援するため、私たちはこのファンドを立ち上げ、3カ月足らずで26社に出資した」と、アワークラウドCEOのジョン・メドベドはブルームバーグTVに語る。

他の同様のファンドとしては、Iron Nation(アイアン・ネイション)や1948 Ventures(1948 ベンチャーズ)、Google Support Fund(グーグル・サポート・ファンド)などが挙げられる。

2012年のベストセラー書籍『アップル、グーグル、マイクロソフトはなぜ、イスラエル企業を欲しがるのか?:イノベーションが次々に生まれる秘密』の著者であるダン・セノールとシャウル・シンゲルは、イスラエル企業の実行力や逆張り精神、絶え間ない努力に注目する。

2人は昨年末に出版された、その続編の書籍『The Genius of Israel: The Surprising Resilience of a Divided Nation in a Turbulent World(イスラエルの天才たち:波乱の世界の分断国家にみる驚くべきレジリエンス)』で、75年もの間、絶え間なく攻撃され続けてきたこの小さな国が、長寿や未来に対する楽観度、幸福度といった指標において、世界ランキングの上位に頻繁に顔を出す理由を説明している。

シンゲルは、イスラエルの強みが、社会の連帯感やそこから生まれるレジリエンス(困難を乗り越えて回復する力)にあると述べている。

イスラエルのスタートアップに助言を行うイスラエル系アメリカ人のヒレル・フルドは、ユダヤ民族が過去の暗い時代を耐え抜いた結果、より強くなったと指摘する。「イスラエルのハイテク業界は、この困難な時代にそのことを証明している」と彼は述べている。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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