キャリア

2024.04.07

仕事で迷ったら「すべての船」を燃やせ、ただし「橋」は燃やすな

JENG BO YUAN / Shutterstock.com

仕事でも人生でも、迷ったり混乱したり、周囲に振り回されていると感じたりするときがあるだろう。そうなると生産性が低下し、不安がふくらむ。やがて、自分が身動きがとれず足踏み状態にあると自覚し、行動を起こしたくなる。

こうした気持ちに襲われたなら、自分の状況、目標、願望を見極めるべきタイミングだ。勇敢なリスクテイカーなら、思い切って動いてみるのもいいだろう。好きなことや得意なこと、人生を大きく切り開くチャンスにつながることなど、何か1つに集中するのだ。このような超集中型の思考・行動パターンを「すべての船を燃やす(burn all your ships)」考え方という。

この思考パターンにおいて重視されるのは、一心不乱に取り組む姿勢と決意、そして「プランB」というセーフティネットなしに、たった1つの目的や目標に全力投球する意志である。何にも目移りせず、他の可能性を一切排除し、これと決めた目的を達成することだけに集中しなければならない。

「すべての船を燃やす」という表現には、あらゆる逃げ道や退路を断ち、断固とした決意と覚悟を持って、後戻りすることなく選んだ道や目標に突き進むという思想が凝縮されている。つまり「背水の陣を敷く」ということだ。

この考え方には引き返す選択肢がないため、どんなリスクをも背負う勇気と、障害を乗り越える冷徹な決意を抱かざるを得なくなる。最後まで目標を見据え、やり遂げなければならない。だからこそ、居心地のよい環境から飛び出し、さまざまなチャレンジを正面から受け入れ、揺るぎない覚悟で自ら決めた挑戦に全身全霊をかける後押しとなる。

「すべての船を燃やす」考え方をビジネスに応用する

「すべての船を燃やす」という思考・行動パターンは、新しいアイデアを探求し、リスクを承知の上で挑戦し、限界を広げて成長と競争優位性を促進することを組織にうながす。

ビジネス戦略においてこのアプローチをとるには、信念を持って明確な戦略的決断を下さなければならない。そのためには短期的な利益よりも長期的な目標を優先し、大胆に行動し、挫折に負けることなく選んだ道を全力で進むことが求められる。
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翻訳・編集=荻原藤緒

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