「俺が今からネット予約をキャンセルするから、すかさず予約しなよ!」は吉か?
通常であれば、予約サイト(OTA)で誰かがキャンセルすると、ネットの通信状況に異常がなければ、時間的にはわりとすぐのタイミングでその分の在庫が戻ります。通常であれば。
実は、ネット上でキャンセルがあっても、空室数は増えないことはアリアリなんですよ。なぜか?
予約システムはホテル側で「戻り在庫を反映させない」という設定も出来ます。その分を電話キャンセル待ちで埋めたり。ホテル側がすでにオーバーブッキングしていて、キャンセルが出ても空室在庫に戻さないことは多々あります。
滅多にない例だと思いますが、友人同士で、「俺が今からネット予約をキャンセルするから、在庫が1になるはずだから、そうしたらすかさずお前が予約しなよ!」なんて状況があるかな? あったとしたら、いつまで待ってもキャンセル戻り部屋在庫がサイトに反映されないことはあるわけです。
実際に在庫に戻ったとしても、全国で同時に見ている人が多いことも考えられます。偶然タッチの差で盗られてしまうなんてこともあるかもしれません。
予約サイトにおいて、何かしらの事情で既に取っている予約を取り直したいと考えたとします。例えば宿泊者名を変えたいとか。けれども表示は満室。一度キャンセルして即座に取り直せば大丈夫だろうと考えるのは上記の理由から非常に危険です。
予約サイトによって修正できる内容は異なりますが、この場合は一旦予約を取り消して取り直すのではなく、持っている予約を捨てずにその予約に変更や修正を行うのです。
このへんはかなり裏話ですね。意味が解らなくても気にしないで下さい。
実は予約サイトの「一休.com」はネット上でキャンセル待ちのシステムがあります。「空室待ちメール通知」または「空室待ち自動予約」を選択します。
キャンセルが出たら、お知らせメールをもらうだけか、即座に自動予約するか、ということです。
ただ、他の宿で予約して、キャンセル待ち自動予約を解除し忘れていてキャンセル料がかかってしまう結果になった──。みたいなことにならないとよいですが。
キャンセル待ちのタイミングは?
宿泊の何日前からキャンセル料が発生するかは、宿泊施設ごとに違います。予約サイトで統一されているわけではありません。
例えば、ある宿が2日前からキャンセル料が発生するとしたら、皆キャンセル料がかからないうちに宿泊するか・しないかを決めようとしますから、3日前に空室が出る可能性があります。つまりそこが狙い目です。
それぞれの宿のキャンセルポリシーによってチャンス日は異なります。
どのくらいの確率でキャンセルが出るか?なんて、天候や運が関わりますから求めようもありません。
「残りわずか」に騙されるな
予約サイトの空室数の表示が「設定なし」もしくは「-」(ハイフン・バー)という記号の意味は、その先まで宿側がまだ予約を取り始めていないか、団体で埋まっているか、改装期間等で客を取らないかです。
空室が「残りわずか」というのは焦らせて予約を促す手法です。プランをクリックして詳細までいくと、きちんと残室数が表示されていたりしますよ。
■「ホテル裏話 | なぜ?みんなの疑問を元ホテルマンが暴露」◎https://hotel756.blog.fc2.com/ 元ホテル勤務の筆者がホテル経営の裏側を綴るブログ。ホテルにまつわるあらゆる雑学やエピソード、宿泊者が不思議に思うホテルの「なぜ?」にも答える。
(※本記事はあくまでも筆者個人の勤務経験・体験にもとづくものであり、すべてのホテルに関する知見を網羅するものではない)