言うまでもなく、重要なのは、習がもっと将来を見据えたやり方に思い切って舵を切ることだ。習は国家主席に就いてから数カ月後の2013年秋、「資源配分で市場に決定的な役割を担わせる」と約束していた。だが、実際はそうならなかった。
習はそれどころか、香港がかつてのように資本主義の中心地であり続けることすら許容しようとしない。これらは、習が先月、中国を訪問した米企業幹部らに与えてみせたような安心感と矛盾する。
中国詣でした米企業幹部は、アップルのティム・クック、ブラックストーンのスティーブン・シュワルツマン、チャブのエバン・グリーンバーグ、フェデックスのラジ・サブラマニアム、ファイザーのアルバート・ブーラ、クアルコムのクリスティアーノ・アモンの各最高経営責任者(CEO)といった面々だ。
彼らは習から中国経済は「健全で持続可能」だと聞いたそうだ。なるほど、習のチームが中国経済の変革に本気で取り組めば、そのとおりになるかもしれない。中国政府も、改革の機運を取り戻し、100年に1度級の大嵐を避けるために、何が必要なのかはわかっているはずだ。政府がいますぐ、より切迫感をもって行動すれば、中国に賭けたのは間違っていなかったと世界のダリオも胸をなでおろせるだろう。
(forbes.com 原文)