また、最新の番付で10位までに入った女性のうち9人は、父親または夫から遺産を相続した人たちだった。唯一の例外は、アマゾンの創業者ジェフ・ベゾスの元妻、離婚時の財産分与でビリオネアとなったマッケンジー・スコットだ。
慈善家として知られるようになった彼女が、実際に行ってきたほどの巨額の寄付をしていなければ、現在のその保有資産は690億ドル近くにのぼり、今回のランキングでは3位に入っていたと推定される。
女性長者番付の1位と2位は過去20年間、仏化粧品大手ロレアルの相続人、創業者の孫であるフランソワーズ・ベタンクール・メイヤーズと、小売最大手である米ウォルマートの創業者の1人娘、アリス・ウォルトンのどちらかとなっている。
以下、2024年版の世界女性長者番付トップ10を紹介する(ランキングは3月8日の株価と為替レートに基づき作成。かっこ内は、左から年齢、国籍、主な収入源)。上位10人が保有する資産の合計額は、およそ1兆8000億ドル。前年から約2400億ドル増加していた。
1. フランソワーズ・ベタンクール・メイヤーと家族
995億ドル、約15兆円(70歳/フランス/ロレアル)「世界で最も裕福な女性」は4年連続で、化粧品大手ロレアルの相続人、ベタンクール・メイヤーとなった。資産の大半は、ロレアル・グループの株式(35%近くを保有)。化粧品ブランド「メイベリン」や「キールズ」「ランコム」などを傘下に持つ同グループの年間売上高は、およそ450億ドル(約6兆8000億円)にのぼっている。
2017年に死去した母のリリアンヌ・ベタンクールから遺産を相続したフランソワーズが「世界で最も裕福な女性」ランキングに初登場したのは、2018年。当時の保有資産は、推定422億ドルだった。