だが、彼らの約半数は、心臓が十分に血液を送り出せていないという危険因子を持っている。医師はこれを「駆出率が低い」と表す。これを早期に発見することは、より深刻な心臓病の予防につながるが、症状がほとんどないため、見逃されることが多い。
デジタル聴診器とそのソフトウェアを開発するスタートアップ、Eko Health(エコーヘルス)は、この状況を変えようとしている。
米国時間4月2日(火曜日)、米食品医薬品局(FDA)は、メイヨー・クリニックとエコーが共同開発したアルゴリズムを承認した。
このアルゴリズムは、エコーの聴診器に搭載されたAIが駆出率の低下を正確に検出するのに役立つ(臨床研究では、約85%の確率で正しく特定できることがわかった)。これにより、エコーの聴診器を使用する医師は、定期健診中に危険性のある患者を特定できるようになる。心不全の症状が現れる前でさえそれが可能になるという。
エコーヘルスのCEOであるコナー・ランドグラフは、「これによって、医師による心臓病の早期発見に役立ちます」とフォーブスに語った。「そして、患者を心臓専門医や呼吸器科医、外科医、あるいは何らかの対応が可能な医師のもとへ、いち早く送り込むことができるのです」
2013年に設立されたエコーヘルスは、これまでに50万台以上のデジタル聴診器を販売している。同社はベンチャーキャピタルから累計で1億2500万ドル(約189億6000万円)の資金を調達しており、Pitchbookによると、その評価額は4億1500万ドル(約629億5000万円)と推定されている。
メイヨー・クリニックも、ベンチャー部門を通じて同社に出資しており、他にもARTIS Ventures(アーティス・ベンチャーズ)、3Mのベンチャー部門、Highland Capital Partners(ハイランド・キャピタルパートナーズ)などが出資している。
これはエコーにとって初めてのFDA承認ではない。2020年には、心房細動や心雑音を正確に検出するアルゴリズムの承認も受けている。これらは心不全や脳卒中など、より深刻な病状の早期警告サインとなりうる。