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2024.04.04 08:00

シャオミ創業者の資産が2000億円増加、「初のEV」発売で株価16%高

Robert Way / Shutterstock.com

中国のスマートフォン大手シャオミ(小米)が同社初となるEVの発売を発表し、4月1日付けの株価は前日比16%高と急騰した。共同創業者のレイ・ジュンの保有資産はこの日、13億ドル(約1970億円)も増加したことになる。

フォーブスのリアルタイム・ビリオネア・リストによると、現在54歳となるレイの資産は138億ドル(約2兆円)に達する。

香港を拠点とするエバーブライト証券でストラテジストを務めるケニー・ウンは、「今回の株価の上昇は、シャオミによるEV発売が材料視されたため」と述べる。

先日、シャオミは同社が開発するEVセダン、SU7を21万5900元(約450万円)から29万9900元(約688万円)の価格で提供すると発表した。また、その発表イベントから24時間以内に、初回の注文が約9万台に達したとも発表している。これは市場予測を上回る数字で、なかには車を受け取るまで7ヶ月かかるという人もいるほどだ。

上海を拠点とするコンサルタント会社、Automotive Foresight(オートモーティブ・フォーサイト)のエール・チャンは、性能を考慮するとこの価格設定にはかなりの競争力があるだろうと話す。先日の発表会で檀上に立ったレイは、しきりにSU7(スピード・ウルトラの略)とテスラのモデル3とを比較していた。また、その最も高価なモデルはポルシェのEVスポーツカー「タイカン」に性能面で匹敵するとも述べた。

シャオミはSU7の販売目標台数について言及はしていないものの、オートモーティブ・フォーサイトのチャンの予想では、今年だけで10万台近くを販売する可能性があるという。エバーブライト証券のウンは、シャオミが製造を中国自動車メーカーのBAICグループ(北京汽車)と共同で行い、徐々に生産台数を増やすことで、それだけの台数を達成する可能性があると述べている。

一方、アナリストたちは、市場は実際にSU7を購入した人々のフィードバックを待っているとし、今回の株価高騰のような初期の熱狂が持続するかどうかを予測するのは難しいという。

レイは以前、このEVプロジェクトを同社にとって「最後の大規模なスタートアッププロジェクトにする」と語っていたが、現在、EV市場に参入するには特に困難な時期だとも言える。

中国のEVセクターは現在、数年にわたる急成長の後、過剰な生産能力と激しい価格競争に直面している。レイは先日、テスラを含むライバル各社の積極的な値引きが、低いと感じられるSU7の価格設定の一因となったことを認めていた。また、「今はまだEV事業から利益を上げてこそいないものの、いつかドリームカー(夢の車)を作るという決意を再度胸に刻んだ」とも話している。

forbes.com原文

編集=上田裕資

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