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2024.04.03 12:00

サム・アルトマン、OpenAIの新興企業向けファンドの所有権を譲渡

OpenAIのサム・アルトマンCEO(Getty Images)

OpenAIのサム・アルトマンCEO(Getty Images)

OpenAIのCEOサム・アルトマンが、同社の投資ファンドStartup Fund(スタートアップ・ファンド)の所有権を手放したと報じられた。アルトマンは、マイクロソフトの支援を受けるOpenAIのこのファンドを個人で所有・管理し、世界を変革することを期待される人工知能(AI)関連のスタートアップに投資していたが、異例かつ物議を醸したその所有に終止符を打ったことになる。

ファンドのウェブサイトによると、2021年に設立されたこのファンドは「世界に深くポジティブな影響を与えるAI企業」を支援することを目標としており、特に、恵まれない層の出身の起業家が立ち上げたヘルスケアや科学、法律、教育、エネルギーといった分野のアーリーステージのスタートアップを支援すると述べていた。

PitchBookのデータによると、Startup Fundは昨年1億7500万ドル(約265億円)の投資を報告し、17の取引で少なくとも13社を支援していた。

同ファンドの投資先には、昨年評価額を4倍に伸ばし12月に7億1500万ドルと評価されたリーガルテックのHarvey(ハービー)や、昨年5億5300万ドルと評価された音声編集プラットフォームのDescript(ディスクリプト)、2月にPitchBookが評価額を3億ドルと推定したAIを活用した医療書記のスタートアップのAmbience Healthcare(アンビエンス・ヘルスケア)などが含まれている。

その他の投資先には、語学学習アプリのSpeak(スピーク)や、AIで教師を支援するツールのClass Companion(クラス・コンパニオン)、セールスソフトウェアのUnify(ユニファイ)、ロボット企業の1X(ワンエックス)、自動運転ソフトウェアのGhost Autonomy(ゴースト・オートノミー)などが挙げられる。

同ファンドはまた、シリコンチップメーカーのAtomic Semi(アトミック・セミ)やメモアプリのMem(メム)、コーディングツールのEdgeDB(エッジDB)、Anysphere(エニイスフィア)、OpenAIのChatGPTをベースにしたチャットボットのqqbot(キューキューボット)にも投資している。

OpenAIがニュースサイトAxiosに語ったところによると、同ファンドは現在、立ち上げ当初から運用に携わってきたイアン・ハサウェイが管理しているという。ハサウェイは、HarveyやAmbience、Speakなどの企業への投資を主導したと報じられている。

Startup Fund は、3月下旬に米証券取引委員会(SEC)に提出した報告書の中で総資産額を3億2500万ドルとしていた。同ファンドは、マイクロソフトを含む投資家から1億7500万ドルを調達していた。しかし、OpenAIはこのファンドに投資していない。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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