イタリアで労働許可を取得する近道は、労働者不足に陥っている職種で就職先を探すことだ。悪名高い同国の煩雑な官僚主義に不安を抱いているのなら、安心してほしい。政府は現在、就労ビザ(査証)申請手続きの簡素化に向けて動いているからだ。
イタリアで労働許可を取得しやすい職種
欧州労働機関(EURES)によると、イタリアでは複数の産業が深刻な労働者不足に陥っている。2023~27年にかけては、医療、技術、接客業などの分野で雇用の可能性が高い。政府は毎年、外国人向け労働許可証の発給枠も公表している。2024年の発給枠は15万1000人だ。イタリアで労働許可を取得しやすい9つの職業は以下の通り。
・ 医師
・ 看護師
・ 理学療法士
・ 医療・福祉サービス従事者
・ レストラン従業員
・ 数学・コンピュータ科学者
・ 情報通信技術者
・ エンジニア
・ 建設技能労働者
労働許可証の申請方法
欧州連合(EU)以外の国からイタリアへの移住を希望する場合、就労ビザの申請から始めなくてはならない。これには通常、イタリアの雇用主から雇用契約を得た上で、雇用主が被雇用者に代わって労働許可の申請書類を提出する必要がある。労働許可が下りると、被雇用者は自国のイタリア大使館または領事館で就労ビザを申請することができる。注意すべき点は、就労ビザはイタリアへの入国を許可しているに過ぎないということだ。同国に到着次第、就労ビザを滞在許可証に切り替えなければならない。これで初めて合法的な居住と就労が可能になる。この切り替えは、入国後8日以内に行う必要がある。
イタリア政府は官僚主義の改善と事務手続きの削減を宣言しており、今年中に申請手続きが簡素化される見込みだ。当局が処理時間や待ち時間の短縮に踏み切れば、手続きは今後効率的になるはずだ。イタリアでは、住まいや学校、その他必要なサービスを探すための支援も行われている。
(forbes.com 原文)