米娯楽誌バラエティが最初に報じたこの公開書簡は、アーティスト・ライツ・アライアンス(ARA)の協力で作成されたもの。AI開発者、テック企業、デジタル音楽プラットフォームが、AIを活用することで作詞家やミュージシャンの仕事を奪い、「人間のアーティストの権利を侵害し、価値を下げる」活動を行っていると批判する内容だ。
書簡は、開発者らが既存の楽曲を使用してAIモデルを訓練し、「人間のアーティストの仕事を代替することを直接の目的とした」楽曲、サウンド、画像を作成していると指摘。こうしたAI生成素材が音楽業界に入り込むと、アーティストに支払われるべきロイヤリティ(使用権料)が希薄化すると主張している。
もし規制されないままなら、AIによって「われわれの作品の価値は低下し、公正な報酬を得られなくなる」とミュージシャンらは警告。AI開発者に対し、人間の作詞家や歌手の貢献に取って代わるようなAI音楽・作品を生成する技術を開発しないと誓約するよう求めた。
「この人間の創造性に対する攻撃を止めなければならない。プロのアーティストの声や肖像を盗み、クリエイターの権利を侵害し、音楽エコシステムを破壊するAIの略奪的な利用から保護しなければならない」と書簡は訴えている。
署名したミュージシャンは、ジョン・ボン・ジョヴィ、ビリー・アイリッシュ、ケイシー・マスグレイヴス、ブラザーズ・オズボーン、カミラ・カベロ、ゼイン・マリク、ジェイソン・イズベル、ケイティ・ペリー、ミランダ・ランバート、ニッキー・ミナージュ、ノア・カーン、イマジン・ドラゴンズ、ロザンヌ・キャッシュら200人余り。