テスラ、出荷台数が四半期ベースでマイナス成長 2020年以降初めて

Hadrian / Shutterstock.com

米電気自動車(EV)大手テスラが2日発表した第1四半期(1-3月期)の販売台数は約38万7000台と、市場予想を大きく下回った。イーロン・マスク率いる同社はこれまでにない苦境に陥っており、今年は厳しいスタートとなった。

ファクトセットによると、アナリスト予想は45万7000台だった。42万3000台だった前年同期を9%下回り、コロナ禍で苦戦して4%減となった2020年第2四半期以来のマイナスとなる。

テスラは、先月発生したドイツ・ベルリン工場近くでの放火などによるサプライチェーンの問題が販売台数減に「部分的に」影響していると説明した。

今回、前年実績を割ったことで、モデルSが発売された2012年以来、成長率が最も低い年になるというアナリストらの予想に現実味が増している。2024年の販売が200万台に達するとのコンセンサス予想はわずか11%で、過去最低記録を25ポイントも下回っている。

発表を受けて、テスラの株価は午前の取引で約6%下落した。

低調な販売が4月23日発表予定の第1四半期の業績にどのように反映されるかに注目が集まる。アナリストらは、収益は年4%増である一方で、利益は29%減少すると予想している。

マスクは1月の決算説明会で投資家に「テスラは現在、2つの大きな成長の波の間にある」と警告していた。

テスラは過去10年間に販売台数と売上・収益を大きく増やした。その勢いを維持するという挑戦はおそらく予測どおり、創業21年の同社が次の段階に移行するのにともなう痛みを反映しているのだろう。

株価パフォーマンスを見れば、同社への期待の低さは明らかだ。同社の時価総額は2021年後半に記録した過去最高の1兆2000億ドル(約182兆円)超から約5600億ドル(約85兆円)に半減し、この間S&P500種株価指数は16%上昇している。

テスラは第1四半期に、S&P500種株価指数の採用銘柄で最もパフォーマンスの悪い銘柄だった。UBSのアナリスト、ジョセフ・スパックによると、テスラの販売低迷は主に「EV需要の減退と中国との競争」によるものという。

forbes.com 原文

翻訳=溝口慈子

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事