サイエンス

2024.04.06 14:15

「分譲アパートの床下」からの発掘、イエス・キリストの墓をめぐる新精査

ロボットアームとカメラで墓内に「侵入」


新たな考古学チームが結成され、この墓(現在は「タルピオットB」または「パティオの墓」として知られている)とその内部を再度調査することになったのは、それから25年以上経った2005年のことだった。

この最新の調査と記録は、著名なカナダ人映画プロデューサー兼監督のシンハ・ヤコボビッチ、ジェームズ・テイバー、ネブラスカ大学の著名な考古学者ラミ・アラフ、カナダ人映画プロデューサーのトップであるフェリックス・ゴルベフ、技術専門家である重要人物ウォルター・クラッセンとウィリアム・タラント、学術コンサルタントであるプリンストン神学校のジェームズ・H・チャールズワース博士など、さまざまな専門家を含むチームによって行われた。

調査の対象は以前に発見された庭園の墓と、1980年に工事の準備中にダイナマイトの爆発で大部分が破壊された墓である。



パティオの墓の調査に関する予備報告書の中で、テイバーは「これら3つの墳墓が近接していること、そして紀元1世紀の裕福な土地にまとまって存在していた可能性があることから、私たちはさらなる調査を行うための許可を求めたのです」と報告している。

3基の墓のすぐ近くには、漆喰の儀式用浴場(またはミクヴェ)、貯水槽、古代のオリーブ搾り機の跡もあった。この地域を調査したジョセフ・ガスは、墳墓を含めてこの地域は大規模で裕福な農業用地であったと断定した。おそらく、墳墓はその土地の所有者の家族の墓だろう。

「私たちの調査の目的は、パティオの墓がまだ無傷のまま残っていて、そこに名前や他の証拠があるかどうかを調べることだった」とテイバーはいう。

しかし、墓の更なる探索は、墓には触れたり壊したりしてはならないという正教会当局の要求に添うこと、目的を異にし、考慮し保護されるべきそれぞれの利害関係を有した複数の情報源から許可を得るという課題、そして墓の壁龕内の骨棺の周囲のスペースが非常に限られていることなど、もはや乗り越えられないハードルに直面してしまった。

必要なのは、墓の内部に対する前例のない「人手を使わない」調査だった。これを達成するために、チームは特別に設計された独自のロボットアームとカメラ/ビデオの組み立て部品を考案した。

丹念な努力と調整の結果は、驚くべきものであった。クロネルが最初に調査した結果に加えて、チームは装飾的な彫刻が施された4つの骨棺、無地の骨棺1つ、ユニークな印や銘文が刻まれた2つの骨棺の詳細を識別することができたのだ。

話題を呼んだのは後者の2つの骨棺で、それらは「第5骨棺」、「第6骨棺」と名付けられた。第5骨棺には、2つのロゼットと精巧なフリーズの縁取りがある、装飾的な正面ファサードがあった。そして興味深いことに、ロゼットの間には4行のギリシャ語の碑文があったのだ。
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翻訳=伏見比那子 編集=石井節子

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