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2024.04.02 12:30

ハバナ症候群の「犯人」はロシア情報機関か 昨年には米国防総省の高官も似た症状

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米国防総省は1日、昨年の北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に合わせリトアニアのビリニュスを訪れた同省高官が、米政府職員に相次いでいる原因不明の健康被害「ハバナ症候群」に似た症状を経験したことを明らかにした。ハバナ症候群をめぐっては前日、ロシアの情報機関が関与している可能性を浮かび上がらせた調査報道が発表され、波紋を広げている。

ハバナ症候群は謎の認知疾患で、頭痛や耳の痛み、めまい、吐き気といった症状が報告されている。国防総省の高官もハバナ症候群のような症状を呈したことは、同省のサブリナ・シン副報道官が1日の記者会見で、ロシアの独立系メディア「インサイダー」と米CBSのテレビ番組「60ミニッツ」、ドイツ誌シュピーゲルによる共同の調査報道に関する質問に答えた際に認めた。

高官が症状に見舞われたのは、昨年7月、NATO首脳会議の関連会合に参加するために訪問したビリニュスでだったという。この首脳会議は、ロシアの軍事侵攻を受けるウクライナへの支援が主な議題だった。

シンによれば、体調を崩した高官はロイド・オースティン米国防長官一行のメンバーではなかった。シンは高官の氏名は明らかにしていない。

高官が受けた可能性のある攻撃にロシアが関与した可能性については、調査はインテリジェンス・コミュニティーが行うものになるとシンは答えた。米国の情報機関は引き続きハバナ症候群に関する調査を行っている。

発症した高官がその後、職務に復帰したのかは不明。

インサイダーなどによる調査報道では、文書やデータ、専門家や匿名の元・現米当局者らのインタビューをもとに、過去数年間に米政府職員が見舞われたハバナ症候群の例を掘り下げた。その結果、ハバナ症候群はロシア軍参謀本部情報総局(GRU)の暗殺部隊とされる「29155部隊」による非致死性の音響兵器の使用と関連している可能性があることがわかった、としている。

ハバナ症候群という呼称は、2016年にキューバのハバナにある米国大使館の職員らが聴覚や視覚、平衡感覚の異常を訴えたことに由来する。のちに行われた医療検査で、一部の人は脳組織に永続的な損傷を受けていたことが判明した。

オーストリアや中国、ジョージア、ドイツ、インド、ロシア、台湾、ベトナム在勤の米政府職員らもその後、同様の症状を訴えている。

forbes.com 原文

翻訳・編集=江戸伸禎

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