グーグルは集団訴訟を解決するため、クロームがシークレットモード時に収集した数十億件のデータを破棄し、クロームのデフォルト設定を、シークレット時にデータを収集しないものにする。しかし、この和解に金銭の支払いは含まれていない。
グーグルは、2023年12月以前に収集した過去のシークレットデータをすべて削除するが、同社が開示フォームを更新した1月以降に収集したデータは、今後も残る。
グーグルはまた、IPアドレスの一部修正などによってプライベートモード時のデータの特定を可能にする情報の削除と修正も要求される。同社はまた、ブラウザがサードパーティのクッキーを収集しないようIncognitoモードのデフォルト設定を変更し、今後5年間はこの設定をデフォルトに維持することを求められる。
グーグルはさらに、「プライベートブラウジング検出ビット」を削除しなければならない。これは、ユーザーの「プライベートブラウジングの決定」を追跡し、収集されたデータをプライベートとラベル付けするための4つのデータポイントの削除を意味する。
ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は1日の記事で、クロームのユーザーがこの和解で自動的に金銭を得ることはないが、この合意は、ユーザーが「個人ベースで」損害賠償を請求できる道を開いており、カリフォルニア州では少なくとも50人がすでに同社を相手取って訴訟を起こしたと報じている。
カリフォルニア州の3人の原告は2020年に、グーグルが連邦盗聴法とカリフォルニア州のプライバシー法に違反する可能性があるとして、集団訴訟を起こした。この訴訟は、グーグルがシークレットモードにおいてもクロームのユーザーを追跡していると主張し、弁護士らは「グーグルとその従業員は、個人の生活や興味、インターネットの使用方法に関する詳細な情報を知ることができる」と主張していた。
この訴訟はまた、グーグルが「ジョージ・オーウェルが夢にも思わなかったような、詳細かつ膨大な情報の宝庫」を作り出しており、個人の自由を損ないたいと考える政府やハッカーのための便利なツールになっていると非難していた。
グーグルは昨年8月に略式判決を求めたが、連邦地裁判事は原告側に立ち、訴えの継続を認めた。グーグルは調停の末、12月に原告側と50億ドル(約7600億円)相当の和解に達したが、合意内容は1日まで明らかにされていなかった。
(forbes.com 原文)