映画

2024.04.02

『ゴジラxコング 新たなる帝国』が北米でヒット 観客スコアは最高水準に

ニューヨークの街中に掲示された『ゴジラxコング 新たなる帝国』の看板(rblfmr / Shutterstock.com)

映画『ゴジラxコング 新たなる帝国』が、北米で予想を上回る興行成績を記録している。これは、新型コロナウイルス流行の収束後、スーパーヒーローもの以外の大作映画を劇場で見たいと考える人が多く存在することを示している。むしろ、その人気はコロナ前よりも高まっているかもしれない。

批評サイト「ロッテン・トマト」での『ゴジラxコング』の評価は、批評家と観客の間で大きく分かれている。観客による評価の総合スコアは、ここ最近の大作映画としては最高水準だ。

批評家と観客の意見を比較して、ハリウッドがゴジラなどの怪獣ものをシリーズ化した「モンスターバース」全作品のスコアは以下の通り。

・GODZILLA ゴジラ(2014) 批評家76%、観客66%
・キングコング:髑髏島の巨神(2017) 批評家76%、観客69%
・ゴジラ キング・オブ・モンスターズ(2019) 批評家42%、観客83%
・ゴジラvsコング(2021) 批評家76%、観客91%
・ゴジラxコング 新たなる帝国(2024) 批評家56%、観客92%

一連の作品の評価を比べてみるととてもおもしろい。シリーズ最初の2作品で、いずれも独立したストーリーが展開する『GODZILLA ゴジラ』と『キングコング:髑髏島の巨神』は、一般の評価が低かった一方で、批評家からは高評価を得た。だがその後の作品では、それが逆転。批評家と一般の評価の差が最も大きいのは『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』だが、それに続きゴジラとキングコングが共演した2作品は、両方とも観客スコアが91%以上と、最高水準となった。最新作の『ゴジラxコング』は、批評家と観客のスコアの差が36ポイントで、観客スコアはシリーズ最高を記録している。

これを、マーベルの映画・ドラマ作品群「マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)」と比べてみよう。観客スコアが『ゴジラxコング』と同じ92%かそれを上回ったMCU作品は、『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のVOLUME 1と3、『シャン・チー/テン・リングスの伝説』『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』がある。だが、それ以外の25以上あるMCU作品は、観客スコアが『ゴジラxコング』を下回っている。

『ゴジラxコング』のパフォーマンスは、これまで結果がまちまちだったシリーズに属する作品としては、非常に上出来だ。批評家からは高評価を受けていないものの、しっかりとしたファン層を獲得したように思える。そしてもちろん、それぞれ1954年と1933年に映画デビューを飾ったゴジラとキングコングが、今もその人気を維持しているのもすばらしい。キングコングは誕生から100年を迎えつつあるが、いまだに興行収入でトップに立つ力を持っている。

今回のヒットにより、ゴジラとキングコングが登場する映画がさらに作られることは間違いない。アップルがまだ製作を決定していない『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』シーズン2の行く末にどう影響するのか気になるところだ。ぜひ製作の運びになってほしいところだが、どうなるか見守りたいと思う。

forbes.com 原文

翻訳・編集=遠藤宗生

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