政治

2024.04.01

バイデン大統領の追い上げ鮮明、トランプとの差は1ポイント

3月28日飛行機でニューヨーク市に到着したバイデン米大統領とオバマ前大統領(Photo by Selcuk Acar/Anadolu via Getty Images)

11月の米大統領選挙に関する世論調査で、トランプ前大統領とバイデン大統領の支持率は拮抗しており、米政治サイト「リアルクリアポリティクス(RCP)」の最新の集計によると、トランプ前大統領はバイデン大統領をわずか1ポイント差でリードしているが、その差は1月以降で最小に縮んでいる。一方、バイデン大統領は追い上げている。

直近のトランプ前大統領とバイデン大統領の支持率は、それぞれ46.5%と45.5%で、ここまで両者の差が縮まったのは1月12日以降で初めてとされる。

バイデン大統領は最近の世論調査で勢いを増しており、3月27日に開示された米キニピアック大学の世論調査ではわずかにリードしていた。26日に発表されたブルームバーグ/モーニング・コンサルタントの月次世論調査でも、バイデン大統領の支持率は6つの激戦州で上向いており、ミシガン州とペンシルベニア州ではトランプと互角に、ウィスコンシン州ではトランプを1ポイントリードし、これまでで最高のパフォーマンスとされた。

メインストリート・リサーチとフロリダ・アトランティック大学の世論調査やロイターとイプソスの世論調査など、3月に実施された少なくとも8つの世論調査でバイデン大統領の支持率は、トランプを上回ったが、トランプは3月の世論調査の大半で依然としてバイデン大統領をリードしていた。

バイデン陣営は最近、ニッキー・ヘイリー元国連大使が共和党の候補指名争いから撤退したことを受けて、彼女の支持者にアピールする動画広告を制作し、共和党内の「反トランプ派」の取り込みを狙っている。

バイデン大統領の直近の追い上げは、3月7日の一般教書演説を受けたもので、支持者はこの演説が大統領のイメージを高めたと主張している。バイデン陣営は、資金調達でもトランプをリードしており、28日にニューヨークのラジオシティ・ミュージックホールで開かれた選挙イベントでは2500万ドル(約38億円)以上の選挙資金を集めていた。このイベントには、オバマ元大統領とクリントン元大統領も参加し、歌手のLizzo(リゾ)やQueen Latifah(クイーン・ラティファ)らがパフォーマンスを披露した。

バイデン陣営はこのイベントを「史上最も成功した政治資金調達イベント」と宣伝しており、ファーストレディのジル・バイデンは「民主党全国委員会(DNC)にとって史上最大の資金調達イベント」になったと述べている。

キニピアック大学の世論調査アナリスト、ティム・モロイは、今回の調査結果を受けて「両者の対決では接戦すぎるし、第3党の候補を入れるとさらに接戦になる」と述べた。他の世論調査員も同じ意見で、エマーソン大学の世論調査の担当者のスペンサー・キンボールは、USAトゥデイに対し「選挙は現段階では五分五分だ」と語っている。

一方、最近の世論調査はバイデン大統領の追い上げを示しているものの、NBCによれば、大統領の支持率は2020年の春頃をまだ下回っている。また、ブルームバーグとモーニング・コンサルタントの世論調査で激戦州におけるバイデン大統領の追い上げが示されたものの、ほとんどの州でトランプがまだ優位に立っており、アリゾナ州で5ポイント、ジョージア州で7ポイント、ネバダ州で2ポイント、ノースカロライナ州では6ポイントのリードを保っている。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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