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2024.03.30 12:00

「世界で最も幸福な国」から米国が初めて脱落 世代間格差も顕著に

安井克至
1868

幸福度の低い世代

一方、米国の若者は不幸の原因となるさまざまな課題に直面している。Z世代は仕事や長期的な経済的安定、住宅購入や家庭を持つといった人生の節目を巡り、大きな不安やストレスを抱えている。英大手会計事務所のアーンスト・アンド・ヤング(EY)が昨年Z世代を対象に行った調査によると、現在の経済や雇用市場が同世代の主な不安要因となっていることが示された。

2022年後半から23年前半にかけての大量解雇の波により、雇用主に対する不信感や不安感が生まれた。EYの調査では、Z世代の不安が過去最高に達していることが明らかになった。報告書によると、同世代の半数以上が「お金が足りない」と回答。70%近くが、自身の経済状況が思わしくないと答えた。

米コンサルティング会社マッキンゼーが昨年行った調査では、米国のZ世代が健康上の危機に直面していることも明らかになった。Z世代は他の世代と比較して悲観的な傾向があり、精神疾患の割合も高いと報告されたのだ。同世代は経済的な機会に恵まれていないようだ。老後のための貯蓄には手が回らず、経済状況は今後一層厳しくなるものとみられる。Z世代の60%近くが、基本的なニーズが満たされていないと答えた。

米国の若者は、給料の良い仕事を見つけるのに苦労している。同国では大卒の学位を取得する人口が増えるにつれ、就職市場の競争が激しさを増している。雇用主は新入社員に対して非現実的な職業経験を要求しており、新卒者が雇用市場で競争することが難しくなっている。

forbes.com 原文

翻訳・編集=安藤清香

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