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2024.03.29 17:00

大谷翔平騒動で注目、年間10兆円が動く「米違法賭博市場」の実態

Brian Rothmuller/Icon Sportswire via Getty Images

スポーツ界と賭博スキャンダル

全米の多くのスポーツファンは、大谷の悲劇がギャンブルが合法化された結果だと考えている。1919年には、シカゴ・ホワイトソックスのメンバー8人がワールドシリーズの八百長で告発され、野球界から生涯追放された。MLB通算安打王のピート・ローズは、選手として、そして監督として野球賭博を行ったため、野球界から永久追放され、殿堂入りしていない。また、ギャンブル好きで有名なバスケットボールの伝説的選手マイケル・ジョーダンは、1993年にNBAの調査を受けたが、不正行為の疑いは晴れた。
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今日ではサッカーやフットボール、バスケットボールに至るまで、スポーツ界には賭博スキャンダルが蔓延している。2022年3月、アトランタ・ファルコンズのカルビン・リドリーは、所属チームに1500ドルを賭けたとして、NFLから無期限の出場停止処分を受けた。昨シーズンにNFLでは10人の選手が賭け事で罰則を受けた。そしてまた、NBAでは、大谷のスキャンダルが報じられたわずか数日後に、トロント・ラプターズのジョンタイ・ポーターが賭博疑惑で調査を受けているとESPNが報じている。

38の州でスポーツ賭博が合法化された今、どのリーグもカジノやスポーツベッティング会社と数百万ドル規模の契約を結んでいる。そして、合法化されたベッティングの台頭は、ゲームを腐敗から守ろうとするテック企業の取り組みを生み出した。英国のGenius Sports(ジーニアス・スポーツ)とスイスのSportradar(スポートレーダー)の2社は、八百長行為を摘発し、選手やコーチらが賭けをするのを防ぐことを目的としたインテグリティ部門を持っている。しかし、これらの企業は、影でギャンブルをしている選手を捕まえるためのものではない。

AGAのジョー・マロニー上級副会長は、リーグがギャンブル会社と取引を始めるようになった今は、以前よりも賭けに関するスキャンダルが増えていると考える人は世間知らずだと話す。「かつてはこのような違法行為が行われていなかったという考え方は、少し楽観的すぎるのです」
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一方、ラスベガスを拠点とするあるノミ屋は、年間5000万ドル以上の収入をもたらす違法賭博を主催しているが、合法化によって彼のビジネスが激減したと話す。ドラフトキングスとファンデュエルが魅力的なプロモーションと多様なプロップベット(ゲームの最終結果に直接影響を与えないイベントに対する賭け)を提供し始めるまでは、彼の収入は年間1億ドルを超えていた。しかし、莫大な資金を銀行以外の場所にプールしている彼は、顧客数が少なくなっても構わないと考えている。

「ブッキーは、これまでと変わらず存在し続ける。しかし、もしかしたら、合法的な賭けに参加できないプロの賭け師や、破滅的なギャンブラーだけをブッキングすることになるかもしれない」
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forbes.com 原文

編集=上田裕資

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