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2024.03.29 09:00

キャサリン妃めぐる陰謀論、なぜ拡散? 発端と暴走の経緯 生成AIも一役

英王室のキャサリン皇太子妃。2023年12月5日、ロンドンにて(Chris Jackson/Getty Images)

サセックス・スクワッドはまず1月末にかけて懸念をあおり、その裏で温め続けた陰謀論を、機が熟したと見るや一気に放流した。それは2月末のことで、ちょうどウィリアム皇太子が「個人的な理由」で王室の行事を欠席したタイミングだった。
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以降はキャサリン妃をめぐる憶測を取りざたするのが一般的となり、さまざまなジョークがネット上を席巻した。ミームがおもしろければおもしろいほど、陰謀論は広く流布していった。

ケンジントン宮殿が問題の母の日の写真を公開し、騒ぎを再燃させたのは、このミーム祭りが収束しかけた矢先だった。主要な通信社が写真の配信を取り下げたことで、陰謀論に信憑性が生まれてしまった。

突如としてケンジントン宮殿はもはや「信頼できる情報源」とはみなされなくなった。英王室がなぜキャサリン妃の鮮明かつ未加工の写真を提供できないのかを世間は疑問視し、次から次へと憶測を呼んだ。
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大衆はすでに英王室に対して深い不信感を抱いていた。ダイアナ元妃の悲劇や、ヘンリー王子とメーガン妃の暴露によって、磨き上げられた外観の裏側に腐敗が隠れていることが露呈したからだ。

動画配信大手Netflix(ネットフリックス)のドラマ『ザ・クラウン』で、問題だらけの英王室一家の歴史が描かれたことも、またもや王室を巻き込んだ波乱が起こるのではないかとの想像をかき立てた。

英タブロイド紙は、王室に対する過激なゴシップ報道や意地の悪い論評を常態化させていた。これはメーガン妃が自殺願望に苦しんだことを告白し、メンタル治療を受けさせてもらえなかったと英王室スタッフを非難した後に生じた傾向だ。

ハッシュタグ「#KateIsMissing」がたどった展開は、大衆が王位継承者の男性と王室に入る女性の運命をどのように見ているかを反映している。

情報がない中、ネットユーザーたちは想像たくましく物語を創り上げ、皇太子夫妻の結婚生活に何らかの問題が発生しているのではないかと勘繰り、2019年に騒がれた不倫疑惑に再び火をつけ、皇太子の愛人と報じられたレディ・ローズ・ハンブリーをミーム化して遊び始めた。

不倫のうわさは米人気トーク番組の司会者スティーヴン・コルベアの耳にも届き、コルベアはそれをさらに多くの視聴者に広めた。(その後、コルベアは自身の発したジョークに対する批判への対応に追われることとなる)

ハンブリーは弁護士を通じてコルベアに発言の撤回を要求したが、うわさはすでに世界中に広まっており、ハンブリーの豪邸には略奪された中国の美術品があるという非難さえ巻き起こった。
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翻訳・編集=荻原藤緒

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